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2006 年度 実績報告書

細胞運動の推進力を基質に伝達するナノシステムの動態と構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 17049022
研究機関福岡大学

研究代表者

中川 裕之  福岡大学, 理学部, 助教授 (80274562)

キーワードactin / fascin / Iasp-1 / lasp-2 / retrograde flow / filopodia
研究概要

本研究は、細胞質中のアクチン系細胞骨格が発生した力を細胞外へ伝達する機構と、その構造を明らかにすることを目的としている。一般的には、接着斑と呼ばれる構造がその機能を担っていると考えられている。しかし、神経細胞から伸長した神経突起には接着斑構造が存在しないにもかかわらず、接着基質上を活発に移動する。したがって、接着斑以外の細胞一基質間接着構造が存在すると考えられる。そこで、そのような細胞一基質間接着機構を解明するために、接着斑に集積するlaspファミリー分子と蛍光タンパク質の融合タンパク質を神経芽細胞腫株NG108-15に発現させ、その局在を解析した。NG108-15細胞において、laspファミリー分子は主にフィロポーディアに集積し、接着斑様の斑点状分布は観察されなかった。また、反射干渉法によってフィロポーディアに沿った接着領域が観察されたが、laspファミリー分子はその領域へ顕著な集積を示さなかった。Laspファミリー分子はアクチン繊維結合活性を持つことから、FRAP法を用いてアクチン分子と動態を比較した。アクチン分子ではフィロポーディア先端から細胞内部方向への逆行性輸送が観察されたが、laspファミリー分子は拡散的な動態を示した。この結果は、アクチン繊維上でアクチン繊維結合タンパク質の速い交換が起きていることを示している。
神経細胞一基質間接着は接着斑とは構成タンパク質分子が異なっていることから、微細構造も異なっている可能性がある。細胞-基質問の接着領域は2次元的な広がりを持った構造で、超薄切片法では領域全体を観察することは困難である。そこで、NG108-15細胞を薄膜に接着させ、化学固定後に薄膜を溶解することで細胞の基質接着面を直接観察する方法を開発した。本方法を用いた観察によって、接着斑を含めた細胞-基質間接着機構が構造的に明らかになると期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Short-term retention of actin filament binding proteins in lamellipodial actin bundles2006

    • 著者名/発表者名
      H.Nakagawa, A.G.Terasaki, H.Suzuki, K.Ohashi, S.Miyamoto
    • 雑誌名

      FEBS Letters 580

      ページ: 3223-3228

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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