研究課題/領域番号 |
17050002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
十川 和博 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (80175421)
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研究分担者 |
安元 研一 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (90241629)
高崎 親久 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10004491)
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キーワード | FLIM-FRET / VBC複合体 / タンパク間相互作用 |
研究概要 |
構築したFLIM顕微鏡システムを用いて、生細胞内タンパク質間相互作用をFRETで観察した。まず、転写因子Arntのホモダイマー形成を調べた。ArntはbHLH-PASドメインをもち、AhリセプターやHIF-1αの共通のパートナー因子である。ArntのN末端にCFPまたはYFPを接合し、CHO-K1細胞に導入した。Arntはスペックルを形成し、この小体はPMLボディーと考えられた。FLIM-FRETを計測したところ、弱いながらもポジティブシグナルを得た。この結果は、細胞内でArntがホモダイマーを形成していることを示している。続いて、pVHL-Elongin B-Elongin C複合体(VBC複合体)構成タンパク間の相互作用を観測した。VBC複合体はX線結晶構造解析が行われており、Elongin BとElongin Cが結合し、Elongin CとpVHLが結合することがすでに分かっている。Elongin BとElongin Cに蛍光タンパク質間で比較的強いFRETシグナルを計測することができた。Elongin CとpVHL間のFRETを計測したところ、ほとんど起きないことが判明した。そこで、Elongin Bをさらに発現させ、FRETを計測したところ、微弱ではあるがFRETを観測することができた。この結果はElongin BとElongin Cがまず複合体を形成し、その複合体のElongin CにPVHLが結合することができることを示唆している。フリーとBC複合体でのElongin のコンホメーションは異なっていることが推定された。
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