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2006 年度 実績報告書

ゲノムリプログラミングにおける体細胞核のダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 17050014
研究機関京都大学

研究代表者

多田 高  京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (30188247)

キーワードリプログラミング / 細胞融合 / ヒストン / トランスジェニックマウス / ES細胞 / クロマチン
研究概要

リプログラミングは特定の機能を果たすべく特殊化した体細胞が、無限自己複製能と多分化能をもつ多能性幹細胞に変化する現象である。体細胞核の核移植によるクローン動物の誕生や核移植胚盤胞からの胚性幹(ES)細胞の樹立がリプログラミングの方法として知られている。我々は、体細胞とES細胞の細胞融合により体細胞核がES細胞核様にリプログラミングされることを独自に発見した。これまでの我々の研究から、リプログラミングは核DNAの遺伝情報には影響を与えず、DNAやクロマチン、クロマチンの高次構造といったエピジェネティクスを、ゲノム全体に渡って大がかりに書き換えることにより引き起こされる分子機構モデルを提唱している。細胞融合実験系では、リプログラミングされた体細胞核を大量に回収することが可能であり、リプログラムされた核のエピジェネティクスの状態を解析することが可能である。
本研究課題ではヒストンの置換とリプログラミングの関係を、核移植や細胞融合の実験系を用いて明らかにする事を目的にしてきた。クロマチンはヒストンH2A, H2B, H3,H4のオクタマーにDNAが巻き付いたDNA-蛋白質複合体構造である。ヒストンH3とH4は細胞周期依存的に置き換えられるのに対して、ヒストンH2AとH2Bは細胞周期非依存的に短時間に置き換わることが知られている。我々は、H2Bが蛍光遺伝子GFPで標識されたH2B-GFP融合蛋白質を発現するトランスジェニックES細胞とトランスジェニックマウス(ヘテロおよびホモ)の作製に成功した。また、再プログラム化クロマチンをもつ細胞の薬剤または蛍光色素による選択を目的に、Nanog遺伝子発現制御領域下にピューロマイシン薬剤耐性遺伝子やGFP遺伝子を発現するトランスジェニックマウスの作製に成功した。現在これらのツールを用いて、再プログラム化体細胞クロマチンの解析を進めている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Targeted chromosome elimination from ES-somatic hybrid cell nuclei.2007

    • 著者名/発表者名
      H.Matsumura et al.
    • 雑誌名

      Nature Methods 4

      ページ: 23-25

  • [雑誌論文] NANOG maintains self-renewal of primate ES cells in the absence of a feeder layer.2006

    • 著者名/発表者名
      S.Yasuda et al.
    • 雑誌名

      Genes to Cell 11

      ページ: 1115-1123

  • [雑誌論文] Attenuated spread of X-inactivation in an X;autosome translocation.2006

    • 著者名/発表者名
      B.C.Papova et al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103

      ページ: 7706-7711

  • [雑誌論文] Toti-/Pluripotential Stem Cells and Epigenetic Modifications.2006

    • 著者名/発表者名
      T.Tada
    • 雑誌名

      Neurodegenerative Diseases 3

      ページ: 32-37

  • [雑誌論文] Testatin transgenic and knockout mice exhibit normal sex-differentiation.2006

    • 著者名/発表者名
      K.Hasegawa et al.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 341

      ページ: 369-375

  • [図書] Methods in Molecular Biology, Vol.348 : Nuclear Transfer Protocols2006

    • 著者名/発表者名
      T.Tada
    • 総ページ数
      337
    • 出版者
      Humana Press
  • [図書] Cell Biology : A Laboratory Hand Book, 3rd Edition2006

    • 著者名/発表者名
      M.Tada, T.Tada
    • 総ページ数
      2141
    • 出版者
      Academic Press

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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