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2006 年度 実績報告書

細胞の増殖分化に関わる遺伝子発現と核内構造の時空間的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17050018
研究機関熊本大学

研究代表者

斉藤 典子  熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (40398235)

研究分担者 中尾 光善  熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00217663)
斉藤 寿仁  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50211925)
キーワード細胞核内構造体 / RanBP2 / SUMO / 神経分化 / ES細胞 / Oct3 / 4 / ヒストン修飾 / エピジェネティクス
研究概要

1.細胞の増殖に関わる遺伝子発現制御におけるPMLボディーの役割
増殖刺激を受けた細胞内で直ちに転写が開始され、その後抑制されるc-fos遺伝子座の転写制御に、核内構造体のPMLボディーがどのように関わるかを調べるために、PMLに対する抗体を作成し、またPMLのノックダウン、c-fos遺伝子の転写を計測するリアルタイムPCRの手法を確立した。
2.ES細胞の分化過程における核内構造と遺伝子発現制御機構
マウスES細胞が高度に均一に神経細胞へ分化する系を確立するために、効率的に細胞分化を促進するSDIA(stromal cell-derived inducing activity)法とノックイン細胞を組み合わせ、顕微鏡下での1細胞解析を可能にした。これにより、神経分化過程で細胞核及びクロマチンのグローバルな構造がダイナミックに変動することを見いだした。また、遺伝子密度が高いMHC遺伝子クラスター内に存在し、分化とともに独自に抑制されるOct 3/4遺伝子座が、分化過程で核内構造体との空間的相互作用を変化させること、ヒストン修飾やクロマチン結合タンパク質との相互作用がOct3/4遺伝子座の制御領域に限局的にかつ段階的に変動することを詳細に解析し、細胞の未分化性の維持や細胞系譜の決定に核内構造体によるエピジェネティックな制御が役割を果たしている可能性を見いだした。
3.タンパク質SUMO化修飾の細胞内制御の可視化
セミインタクト細胞を用いて細胞内のSUMO化の場を可視化するin situ SUMOylation assay法を確立した。これにより、既にSUMO分子が蓄積していることが知られている核膜孔とPMLボディに加え、核小体、セントロソーム、ミッドボディに活発なSUMO化活性が存在することを見いだし、SUMO修飾が細胞核や体細胞分裂の制御に関わる事を示唆した。in situ SUMOylation assay法はSUMO E3タンパク質の細胞内分布を検出できる手法であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] In situ SUMOylation analysis reveals a modulatory role of RanBP2 in the nuclear rim and PML bodies2006

    • 著者名/発表者名
      Saitoh, N.
    • 雑誌名

      Exp. Cell Res. 312

      ページ: 1418-1430

  • [雑誌論文] Nuclear and chromatin reorganization in the MHC-Oct3/4 locus at developmental phases of embryonic stem cell differentiation2006

    • 著者名/発表者名
      Aoto, T
    • 雑誌名

      Dev. Biol. 208

      ページ: 354-367

  • [雑誌論文] 細胞核・クロマチンのダイナミクス2006

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 51

      ページ: 302-309

  • [雑誌論文] 細胞核構造とその機能2006

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 雑誌名

      実験医学 増刊号 24

      ページ: 119-125

  • [雑誌論文] クロマチン間領域に存在する核内構造体2006

    • 著者名/発表者名
      斉藤典子
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 増刊号 51

      ページ: 1957-1963

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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