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2006 年度 実績報告書

X染色体不活性化センターにおけるアンチセンス制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17050023
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

佐渡 敬  国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (70321601)

キーワードX染色体不活性化 / アンチセンスRNA / エピジェネティクス
研究概要

Xistのアンチセンス遺伝子Tsixを介したXistの発現制御機構において,Xistプロモーター領域がTsixによって転写されることが不可欠であるか調べるため,ポリA付加シグナルを利用してアンチセンス転写の強制的な終結を図った.初年度の引き続きその影響を詳細に解析した結果,Tsixの転写がXistプロモーター領域に及ばないようにしたTsix^<ρA>アリルを持つマウス胚では,変異を導入したX染色体上のXist遺伝子プロモーター領域のクロマチン修飾が正しく構築されず,その結果Xistの異所的な発現亢進を招くことが強く示唆された.Tsix^<ρA>アリルとよく似た構造を持つもののポリA付加シグナルを欠くためTsixによるアンチセンス転写は中断されないアリル(Xist^<IVS>)を持つマウスを新たに作製し胚におけるXistプロモーター領域のクロマチン修飾を解析したところ目立った異常は認められずXistも適切に制御されていることがわかった.これらの結果は,Tsixによるアンチセンス制御においては,Xistプロモーター領域がアンチセンス方向の転写を受けることが不可欠であることを示している.また,Tsix^<ρA>アリルの影響を胚体組織と胚体外組織で比較したところ,後者はより顕著な影響を受けていることもわかった.これは,胚体組織がTsix非依存なXist発現制御機構も持ち合わせているのに対し,胚体外組織はもっぱらTsixに依存しているとする,我々の従来の報告とも一致する.これらの解析については現在論文を投稿中である.
一方,Xist RNAの核外輸送抑制におけるXist配列の効果について検討する新たな試みのために,従来のものとは異なる構造を持つレポーター配列を新たにXist遺伝子座にノックインしたES細胞を複数株作製した.今後これらを用いて詳細な解析を行う.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Tsix-deficient X chromosome does not undergo inactivation in the embryonic lineage in males : implications for Tsix-independent silencing of Xist.2006

    • 著者名/発表者名
      Ohhata et al.
    • 雑誌名

      Cytogenetic and Genome Research 113

      ページ: 345-349

  • [雑誌論文] Tsix detective in splicing is competent to establish Xist silencing.2006

    • 著者名/発表者名
      Sado et al.
    • 雑誌名

      Development 133

      ページ: 4912-4931

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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