MORC3は、N末にGHL-ATPaseドメイン、CWドメイン、核移行シグナル、C末にCoiled coilドメインを持つ蛋白で、核内ドメインであるPMLボディに局在し、様々な刺激によりPMLボディに局在化することが知られているp53などの局在に関与していることを明らかにしてきた。 どのような分子メカニズムにより、MORC3が他の蛋白局在を制御するかを明らかにする目的で、MORC3の変異体を作成し、解析した。CWドメインで保存されている4つのシステインと2つのトリプトファンをそれぞれアラニンに変異させた変異体はすべて、PMLボディに局在できず、核内に拡散して存在した。また、Coiled coilドメインを含むC末256アミノ酸を欠失させた変異体も同様に、核内に拡散して存在した。また、MORC3は、dimer形成するが、免疫沈降実験の結果、MORC3とATPase変異体E35Aは、結合できるが、C末欠失変異体ΔCは、MORC3と共沈できなかった。しかし、C末変異体は、MORC3の発現依存的に、PMLボディに局在するため、MORC3と何らかの相互作用があると考えられた。しかし、ATPase変異体を同時に持つΔC-E35A変異体は、全く共局在できなかった。それ故、ATPaseドメインは、その活性により、相互作用していると考えられた。また、以前より、2箇所のSUMO化サイト(K650とK740)を同定していたが、新たに、K649とK794がSUMO化されることが明らかとなった。それにより、MORC3のSUMO化サイトは、すべて消失したが、PMLボディへの局在に変化はなかった。今後、MORC3の機能におけるSUMO化の意味を解析したい。
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