研究課題/領域番号 |
17051002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前 忠彦 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (60134029)
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研究分担者 |
牧野 周 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (70181617)
石田 宏幸 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (60312625)
鈴木 雄二 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (80374974)
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キーワード | シロイヌナズナ / Rubisco / Rubisco-containing body / 老化 / オートファジー |
研究概要 |
葉緑体ストロマにターゲットされるGFPやDsRedを発現するシロイヌナズナ(CT-GFP,CT-DsRed)の緑葉を用いて、RCBの生細胞における可視化法について検討した。葉を個体から切離後、コンカナマイシンAあるいはE-64dを浸透させインキュベートすると、処理後10時間あたりからGFP蛍光をもつ小胞が液胞内に蓄積した。またCT-DsRedでも同様の結果が得られた。これらの小胞は直径が1μm前後でクロロフィルの自家蛍光を持たないなど、電顕におけるRCB像とよく似た特徴を有していた。抗GFP抗体及び抗RbcL (Rubisco-lATGe subunit)抗体を用いた二重免疫電顕による解析の結果、GFP小胞がRCBであることが確認された。このRCBの生細胞における可視化法を用いて、RCBの蓄積とオートファジー機構との関連性について調べた。その結果、オートファジーに必須の遺伝子ATGの欠損変異体(atg5-1)では、RCBの蓄積は全く見られないことがわかった。その代わりに、atg5-1では飢餓条件下でのインキュベート後、葉肉細胞において葉緑体から突出する管状の構造体、ストロミュールが出現していた。次にCT-DsRedとautophagosomeやautophagic bodyのマーカーであるGFP-ATG8aを共発現する形質転換体を用いて蛍光2重染色による解析を行った。阻害剤の存在下でインキュベートした葉では、CT-DsRedが葉緑体に加えて、液胞に存在するGFP-ATG8aで可視化された小胞、すなわちautophagic bodyにも局在することがわかった。またGFP-ATG8は稀に観察される短い球状のストロミュールにも局在していた。これらの結果から、RCBの蓄積はATGに依存したオートファジー機構により進行していることが示された。
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