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2005 年度 実績報告書

アミロプラスト分化/脱分化が支配する植物の環境適応と生長制御

研究課題

研究課題/領域番号 17051003
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 秀幸  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70179513)

研究分担者 宮沢 豊  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (00342858)
キーワードアミロプラスト / オーキシン / 回旋転頭運動 / シロイヌナズナ / 水分屈性 / 突然変異体 / 伸長方向制御 / 環境応答
研究概要

本年度は,根の水分屈性を担う分子を,水分屈性欠損突然変異体の解析と生理学的解析によって同定するとともに,アミロプラスト沈降に端を発する重力依存的生長運動との関係を解析した.これまでに単離した水分屈性を完全に欠損する突然変異体miz1の原因遺伝子をマップベースクローニングにより同定し,MIZ1は色素体移行シグナルと推定される新規のペプチドを有していることを明らかにした.このことから,MIZ1の機能欠損は,アミロプラスト動態を通した重力屈性との相互作用に異常を生じさせている可能性が考えられた.一方,miz1の表現型の解析から,miz1は水分勾配刺激に応じたデンプン分解を正常に行なうことも明らかにした.続いて,水分屈性を完全に欠損したmiz6についてもマップベースクローニングを開始し,これらの座上染色体を同定した.さらに,野生型シロイヌナズナを用い,植物ホルモン,カルシウムおよびオルガネラの動態,細胞骨格系に関わる計12種の薬剤を処理し,重力屈性と水分屈性に対する影響を検定した.その結果,オーキシン取り込み・排出(輸送)阻害剤処理は重力屈性を著しく抑制する一方で,水分屈性を有意に抑制しないことを明らかにするとともに,オーキシン作用阻害剤の処理は水分屈性と重力屈性の両方を阻害することも明らかにした.これは重力と水分という異なる刺激が,屈曲という共通の応答を引き起こす際に生じるオーキシンの偏差的な分布を,異なるメカニズムにより生み出していることを示唆しており,これまで重力屈性の解析から説明されてきたアミロプラスト沈降に起因する重力感受とオーキシン動態の関係に対して,新しい偏差生長制御様式の存在することを示している.また,重力受容細胞におけるアミロプラスト動態が制御する植物の生長運動として,回旋転頭運動があることを証明することに成功した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Shoot circumnutation and require winding movements require gravisensing cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa D 他
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 102

      ページ: 18742-18747

  • [雑誌論文] 微小重力下における根の水分屈性とオーキシン動態2005

    • 著者名/発表者名
      高橋秀幸, 藤井伸治, 宮沢豊
    • 雑誌名

      生物工学 83

      ページ: 560-564

  • [図書] Tobacco BY-2 cells as a model for differentiation in heterotrophic plant cells. In "Tobacco BY-2 cells, a new treatise"2006

    • 著者名/発表者名
      Miyazawa Y
    • 出版者
      Springer Verlag(印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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