• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

腋芽の休眼・成長に関わるプラスチドの機能獲得に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17051014
研究機関名古屋大学

研究代表者

森 仁志  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20220014)

研究分担者 榊原 均  理化学研究所, 生産制御研究チーム, チームリーダー (20242852)
キーワードプラスチド / 頂芽優勢 / プロテオーム / 休眠
研究概要

頂芽優勢は頂芽が腋芽の成長を抑制して優先的に成長する現象であり,オーキシンとサイトカイニンが深く関わっている。我々はエンドウを用い,オーキシンが,サイトカイニン生合成の鍵となるイソペンテニル基転移酵素(IPT)の茎における発現を抑制していることを明らかにした。一方,腋芽の休眠に関わる遺伝子として,カロテノイド酸化開裂酵素(CCD)のホモログが同定されている。エンドウのCCDホモログRMS1は発現にオーキシンを必要とし,茎のプラスチドに局在している。つまり,腋芽の休眠と成長を促進する生理活性物質の生合成に,茎組織のプラスチドが関与し,オーキシンでその方向が制御されている可能性が高い。本研究課題では,茎のプラスチドに局在し,オーキシンによって変動するタンパク質を網羅的に同定することで,このオルガネラを理解し,腋芽の成長制御をオルガネラの観点から解析することを目的として研究を行った。
暗所で7日間生育させたエンドウの茎から,分画遠心とパーコールを用いた密度勾配遠心によりプラスチドを調製した。SDS-PAGEによりタンパク質を分離し主要なポリペプチド約20本について,質量分析計を用いたMALDI-TOF MS及びMALDI-TOF-TOF MSで同定を試みた。その結果,約半数のタンパク質が同定された。しかし,実験材料がエンドウであるために,データベースに登録されていないタンパク質が多く,同定は容易ではない。同定のためにはペプチド断片をMS/MS解析してde novoシークエンスする必要がある。その効率を上げるために,H2^<18>Oを用いたトリプシン消化や,N末端アミノ基のsulfonationなどを試み,改善がみられた。一方,頂芽切除前後の茎のプラスチドタンパク質を比較するために,NBS法を試みた。NBS法はトリプトファン残基を含むトリプシン消化ペプチドを質量の異なるnitrobenzenesulfenyl(NBS)基で修飾し,比較する方法である。その結果,両画分で量比の異なるペプチドが検出された。次年度はこれらのペプチドの同定を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Auxin controls local cytokinin biosynthesis in the nodal stem in apical dominance.2006

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M.
    • 雑誌名

      Plant Journal 45

      ページ: 1028-1036

  • [雑誌論文] Isolation, characterization and cloning of α-L-arabinofuranosidase expressed during fruit ripening of Japanese pear (Pyrus pyrifolia).2005

    • 著者名/発表者名
      Tateishi, A.
    • 雑誌名

      Plant Physiology 138

      ページ: 1653-1664

  • [雑誌論文] An S-like ribonuclease gene is used to generate a trap-leaf enzyme in the carnivorous plant Drosera adelae.2005

    • 著者名/発表者名
      Okabe, T.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 579

      ページ: 5729-5733

  • [雑誌論文] Involvement of PPS3 phosphorylated by elicitor-responsive mitogen-activated protein kinases in the regulation of plant cell death.2005

    • 著者名/発表者名
      Katou, S.
    • 雑誌名

      Plant Physiology 139

      ページ: 1914-1926

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi