研究課題
葯のタペ脂質に富んだオルガネラが出現する。最近の研究から、これらのオルガネラは劇的な分化転換を遂げること、またその脂質成分は花粉表面にポーレンコートとして沈着し、認識などシグナルの伝達にも関係した重要な機能を果たすことなどが予想されている。本研究において、我々は、シロイヌナズナ遺伝子破壊株を利用し、花粉形成過程にける脂質系オルガネラの動態を明らかにすることを目的に研究を行った。脂質とオルガネラ分化について総括的に理解するために、脂質関連遺伝子の変異体と代謝改変形質転換体を広く収集し、解析を行った。具体的には、メバロン酸経路のキーエンザイムといわれるHMGRの欠損変異体hmg1、非酢酸メバロン酸経路破壊株のcla1、長鎖脂肪酸の縮合に関連するcer1,cer6、ステロール合成関連のsmt1,smt2及びその代謝改変形質転換体などを材料に用いた。雄性配偶子形成過程の様々なステージにおいて、透過電子顕微鏡観察、脂質染色、in situハイブリダイゼの結果、タペータム内の脂質系オルガネラに関連する脂質の候補を絞ることができ、メバロン酸経路上流を破壊したときに、その影響が色濃くでることを突き止めた。さらに、加圧凍結固定法などを利用して詳細な観察を行ったところ、タペータムの脂質系オルガネラからポーレンコートが形成されるまでには、複数のふくざつなプロセスを経ることも明らかにした。
すべて 2007 2006
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