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2005 年度 実績報告書

哺乳類における脳の性分化関連遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17052003
研究機関東京大学

研究代表者

西原 真杉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)

キーワード脳・神経 / 発生・分化 / 性ステロイド / 遺伝子 / 行動学
研究概要

哺乳類における脳の性差は、発生過程の特定の時期(臨界期)に脳がアンドロジェンに曝露されるか否かによって生じる。アンドロジェンは脳内の細胞において芳香化酵素によりエストロジェンに代謝され、エストロジェン受容体と結合して特定の遺伝子群の転写を活性化することにより脳の性分化を誘導する。我々は、ラットにおいて脳の性分化の臨界期に視床下部での発現に雌雄差のある遺伝子としてグラニュリン、p130、p27Kip1、JAG1などの遺伝子を検出している。本年度においては、グラニュリン遺伝子をジーン・ターゲティング法により破壊したグラニュリン・ノックアウトマウスを用いて、性的二型を示す各種表現型について解析を行った。その結果、典型的な雄型の性行動であるmountingの潜時、即ち最初に起こるまでの時間及び回数、intromissionの潜時、回数に関しては遺伝子型間で有意な差は見られなかったが、ejaculationを示した個体の割合は、グラニュリン・ノックアウトマウスで有意に低くなった。このことは、グラニュリンが雄型性行動、特にejaculationの発現に関わる神経回路の形成に関与していることを示唆している。一方、フタル酸/アジピン酸エステル類の周産期暴露の脳の性分化に対する影響について検討した結果、これらの物質は新生ラット視床下部におけるグラニュリンおよびp130遺伝子の発現に影響を与えるとともに、性成熟後、LHとFSHの分泌パターンや性周期には影響を与えなかったが、雌雄ラットの性行動をともに抑制した。これらの結果は、フタル酸/アジピン酸エステル類がグラニュリンやp130の遺伝子発現の変化を介して脳の性分化に影響する可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Effects of perinatal exposure to phthalate/adipate esters on hypothalamic gene expression and sexual behavior in rats2006

    • 著者名/発表者名
      Lee HC, 他
    • 雑誌名

      J Reprod Dev (in press)

  • [雑誌論文] 脳の性分化の分子・遺伝子機構2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木正寿, 他
    • 雑誌名

      Horm Front Gynecol 12

      ページ: 227-134

  • [雑誌論文] 脳の性分化における分子機構-グラニュリンの関わり-2005

    • 著者名/発表者名
      鈴木正寿, 他
    • 雑誌名

      性差と医療 2

      ページ: 157-160

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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