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2006 年度 実績報告書

脳細胞自立的に性分化と行動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17052005
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

浜崎 浩子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00211483)

キーワード性分化 / キメラ / 脳移植 / ニワトリ / 性行動 / ステロイドホルモン / 生殖腺
研究概要

脊椎動物における性分化のうち、特に生殖腺ホルモンによらない「脳の性」によって決められる性分化について、ニワトリを用いて胚時期に雌雄間で脳を入れ替えたキメラを作製して解析している。
今年度も、キメラの例数を増やして解析を試みた。(1)脳全体、(2)前脳背内側部と後方部全域、(3)前脳のみ、(4)前脳と間脳部、を交換移植の部位とし、これまでに全部で20羽のキメラが成長し、そのうち7羽は脳と体の性が入れ替わったキメラであった。
雄から雄、雌から雌のキメラは、オープンフィールド、性行動ともに全個体がそれぞれ正常雄、あるいは正常雌と同様の行動を示し、移植操作がキメラの正常発達を妨げないことが示された。雌の脳を持った雄のキメラでは、血中テストステロン値は低いながらも正常範囲内であったが、雄の性行動は観察できなかった。しかし、拒絶反応が性成熟と共に進行したため、長期間にわたる観察は不可能であった。一方、雄の前脳を持った雌のキメラの一羽では、周期的に産卵し、雌特有の受容行動を示したが、別の一羽では初回のみ産卵は見られたものの、以降の産卵はなく、卵管の形成不全がみられた。孵化直前の生殖腺をヘマトキシリン・エオシン染色、あるいは種々のプローブを用いたin situハイブリダイゼーションによって観察すると、生殖腺の性に従って分化は正常に起きていることが示唆された。以上のことから、脳と体の性が一致しないキメラでは、性成熟に達するまでの性分化は正常に起こるものの、性成熟以降の生殖機能の維持が正常であるかについては不明であった。雌の脳を持った雄のキメラを長期間観察するために、免疫抑制剤の投与が必須であるので、まず正常雄に免疫抑制剤を投与してその影響を調べた。その結果、投与後1ヶ月半においても、異常は観察されず、さらに性行動も正常に見られたので、キメラに投与可能なことが確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Imprinting modulates processing of visual information in the visual wulst of chicks.2006

    • 著者名/発表者名
      Maekawa, F. et al.
    • 雑誌名

      BMC Neuroscience 7

      ページ: 75

  • [雑誌論文] Disruption of neuromedin B receptor gene results in dysregulation of the pituitary-thyroid axis.2006

    • 著者名/発表者名
      Oliveira, K. J. et al.
    • 雑誌名

      J. Mol. Endocrinol. 36

      ページ: 73-80

  • [雑誌論文] Overexpression of gastrin-releasing peptide receptor induced layer disorganization in brain.2006

    • 著者名/発表者名
      Iwabuchi, M. et al.
    • 雑誌名

      Neuroscience 138

      ページ: 109-122

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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