研究課題/領域番号 |
17052006
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
阿部 広明 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (80222660)
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研究分担者 |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
三田 和英 農業生物資源研究所, ゲノム研究グループ, チーム長(研究職) (30159165)
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キーワード | W染色体 / 性決定 / レトロトランスポゾン / カイコ / 性染色体 |
研究概要 |
カイコのW染色体上に存在していると考えられている雌性決定遺伝子(Fem)をクローニングすることを目的とし、W染色体の分子生物学的解析を行った。W染色体は組み換えを起こさないために、これまでに得られている分子マーカーのマッピングは不可能であった。しかしW染色体に放射線を照射して作製したW染色体の変異体は、いろいろな程度で欠落が生じていることが明らかとなり、これによりdeletion mappingが可能となった。W染色体の変異体を、より多く増やすために、カイコの雌の蛹にエックス線を照射した。その結果、新たな変異体を2つ得ることに成功した。さらに、それらの変異体を利用したマッピングにより、雌性決定遺伝子は、W染色体の中央付近に座位していると考えられた。また、雌の繭だけ色が黄色くなる「限性黄色繭W染色体」では、W染色体のほとんどが欠落しているが、雌性決定には何も影響のないことが明らかとなった。さらに雌性決定遺伝子にもっとも近いマーカーを確定に、そのマーカーを含むBACクローンを解析した。そのクローン中のDNA塩基配列は、今のところ雌性決定には関係がないと考えられるレトロトランスポゾンばかりである。そこで解析範囲を広げるために、そのBACクローンを元にcontigを試みた。その結果、さらに2個のBACクローンが得られ、現在、それらのDNA塩基配列を解析中である。そしてそこよりさらに解析範囲を広げ、雌性決定遺伝子を含む領域をカバーしようと考えている。
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