研究課題/領域番号 |
17052008
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金森 章 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40324389)
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研究分担者 |
古賀 章彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80192574)
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 助手 (60263125)
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キーワード | 遺伝子 / ゲノム / 発現制御 / 発生・分化 / 性分化 |
研究概要 |
本研究では性分化の帰結の一つ、生殖細胞の雌雄分化をメダカで研究する。形態でわかる最初の性差である卵形成開始に注目し、以下の3つの実験を行った。 a.生殖細胞が卵形成に入ると同時にそれらで発現を開始する遺伝子figαの転写制御機構をしらべるため、硬骨魚類figαの詳細なゲノム比較を行った。これらよりさまざまな魚種のfigα断片を持ったGFP遺伝子を構築し、transgenic魚作成によりcis-elemntの解析を進めている。 b.figαの下流で働くと考えられる、やはり卵母細胞特異的遺伝子である42Sp50のプロモーターにより卵母細胞が光るGFPメダカを確立できた。この系統は性決定遺伝子にリンクする遺伝マーカーももち、genotype, phenotypeの両方で性を判別できる。現在この系統でENU処理によるmutagenesisを開始した。またこの系統を用い性分化に関連すると考えられる遺伝子の機能解析(機能阻害と強制発現)を行う予定である。 c.メダカの性決定遺伝子dmyは、dmドメインを持つ遺伝子dmrt1の重複によりできた。ショウジョウバエの性決定cascadeの最も下で生殖巣の性分化に関わる、dmドメインを持つ遺伝子doublesexが働くためには、intersex遺伝子産物が必要である。そこでメダカintersexの単離と発現解析をおこなった。メダカintersexはメダカdmrt遺伝子群(dmrt1-4及びdmy)の発現ドメインと重複して発現していた。この結果はメダカでもintersexとdmrt遺伝子群が相互作用している可能性を示唆している。
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