研究課題/領域番号 |
17052009
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 清司 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40065579)
|
研究分担者 |
山縣 高宏 名古屋大学, 生命農学研究科, 助手 (50242847)
塚田 光 名古屋大学, 生命農学研究科, 助手 (20343212)
|
キーワード | 左右非対称性 / 性分化 / 卵管 / PNP / DO系 / ニワトリ / エストロジェン レセプター / MMP2 / mRNA発現 |
研究概要 |
鳥類では、雌の生殖器官(卵巣卵管)が左側のみ発達するが有側は孵化前に退行する。この性分化は鳥類独特の現象で、ほ乳類、は虫類、両生類および魚類にも見られない。しかしなぜ、どのようにしてこのような左右非対称性の組織分化がおきるのかを説明できる分子基盤は全く得られていない。したがって本研究の目的は、右生殖組織特異的な退行を特定し左右非対称性の組織分化機構を明らかにする。また本研究では両側性卵巣卵管ミュータント系(PNP/DO)系統の形質を支配する遺伝子の詳細な遺伝解析と発生分化に特異的な遺伝子発現の解析を行うことにより、鳥類雌の右側生殖器官の退化する機構を明らかにする。 ニワトリの左右非対称性卵巣・卵管分化関連遺伝子のmRNA発現:正常メス鶏胚でERmRNAが左側で右側より多く発現し反対にMMP2mRNA発現およびMMP2活性は右側が高いことを明らかにした。このことから、エストロゲンが左側で卵巣・卵管分化成長を促進しMMP2mRNA発現およびMMP2活性を抑制する一方、右側の卵巣・卵管分化成長を促進されずMMP2mRNA発現およびMMP2活性が促進されることが鳥類の左右非対称性卵巣・卵管分化を生ずるゆえんと考えられる。 両側性卵管ミュータント(DO)系統の作出:左側のみならず右側も発達する卵管ミュータント鶏の近交系の作出が完成し、当研究遂行に十分な数をそろえられる段階にきている。
|