研究課題/領域番号 |
17052016
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
篠田 晃 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40192108)
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研究分担者 |
柳井 章江 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20284854)
藤永 竜太郎 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30335723)
国分 啓司 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00432740)
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キーワード | アロマテース / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / グルココルチコイド受容体 / 膜レセプター / 斑点小体 / ポリグルタミン / 脳 |
研究概要 |
1)ラット脳内アロマテース(AROM)は発現のピーク時期の違いにより、胎生仔型、胎生新生仔型、若年成獣型の三型が分類される。本研究では、免疫組織化学法(IHC)とin situ hybridization法(ISH)を用いてタンパクとmRNAレベルで発現の局在分布を比較し、またADXとOCXを施したラットに性ホルモンを投与し、IHCにてAROMの発現制御の領域特異性を調べた。胎生仔型、胎生新生仔型ではタンパク・mRNAの発現レベルは一致したが、若年成獣型ではラット卵巣由来AROM mRNAの発現を示さなかった。また脳内最大のAROMグループである胎生新生仔型はアンドロゲンとエストロゲンの両者からup-regulationを受けるが、若年成獣型は何れからも制御を受けないことが明らかにされた。結果から、脳内には、mRNAの由来が違い、制御の異なる少なくとも2種類のAROMが発現することが示唆された。これらは英文論文としてJ. Comp.Neurol.に受理/掲載された。 2)in vitroでHAPlのcDNAの細胞内導入によりstigmoid body(STB)を細胞質に形成し、またアンドロゲン受容体(AR)の各種フラグメントとHAPlの同時強制発現実験により、HAPlがLBD結合性にARを吸着し核移行を制御することが明らかにされた。また、HAPlはARのpolyQ長に依存して結合性を増し、脊髄球筋委細症SBMA由来の異常伸張polyQ-ARが引き起こすアポトーシスを抑制することが示され、SBMAの病態解明と治療に新しい知見をもたらされた。この結果は英文論文として、Human Molecular Geneticsに受理/掲載された。 3)GPR30がエストロゲン膜受容体であることがin vitroで示され、ラット海馬錐体細胞の膜に局在することが、免疫組織化学法を用いて光頭レベルと電頭レベルで証明された。この結果は英文論文としてBBRCに受理/掲載され、世界で初めて脳内にエストロゲン膜受容体の発現があることを報告した論文となった。
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