研究課題/領域番号 |
17052022
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 正久 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40130025)
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研究分担者 |
小林 雅樹 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (80373041)
松井 久実 麻布大学, 獣医学部, 講師 (70367019)
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キーワード | 両生類 / 性決定遺伝子 / 性染色体 / ゲノムライブラリー / cDNA / RT-PCR / 遺伝子マッピング / 遺伝子導入 |
研究概要 |
地球上に生息する動物は何百万種にも及び、それらの動物の性決定及び性分化機構も多様であると考えられている。従って、動物の性決定機構、それに続く性分化機構を解明するにはそれぞれの動物の性決定機構を解明する必要がある。何故ならば、現在までに単離されている性決定遺伝子は哺乳類(Sry)と魚類のメダカ(DMY)だけであり、それらの遺伝子は他の動物には存在しない。そこで多くの動物の性決定機構を理解するにはそれぞれの動物の遺伝子を同定する必要がある。本研究は、⑴世界で初めて両生類の性決定遺伝子を同定すること、⑵2つの性決定システム(XY型とZW型)をもつツチガエルは核型によって性決定遺伝子が異なること、更に、⑶ツチガエル(ZW型)とツメガエル(ZW型)は同じ性決定遺伝子をもつこと、を目的とする。 本研究の申請時には哺乳類でも雄化に必要な常染色体上のDmrt1が両生類においては性染色体にあるのではないかという結果が得られていた。そこで、それが事実であるかどうかを確証するため、ゲノムサザン解析やDmrt1cDNAを用いたFISH法によりツチガエルのどの染色体上に位置するのかを北大の松田教授との共同研究で調べたところ、性染色体ではなく、第3染色体上にあることが判明した。従って、方針を変えざるをえなくなり、できるだけ多くの遺伝子を単離しFISH法によって遺伝子マッピングを行ったところ、性染色体上に4つの遺伝子を同定した。両生類の性染色体上にある遺伝子をFISH法によって同定したのは我々が世界で始めてである。この遺伝子をマーカーとしてゲノムライブラリーを作製し性決定遺伝子を単離することを開始した。また同時にcDNAレベルで性決定時に発現する遺伝子を網羅的に解析し発現に雌雄差のある遺伝子の単離を試みている。
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