• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

爬虫類の性決定・性分化の分子機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 17052032
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

勝 義直  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助手 (00332180)

研究分担者 井口 泰泉  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90128588)
キーワード爬虫類 / 性分化 / 性決定 / 初期発生 / 温度依存性 / 遺伝子発現 / エストロゲン受容体 / 性ホルモン
研究概要

爬虫類である全てのワニ類と大部分のカメ類の性決定は、環境要因(外気の温度)によって決定する事が分かっている。しかし、この性染色体によらない温度依存的性決定の分子機構については、ほとんどわかっていない。本研究は、この爬虫類の性決定・性分化の分子機構を解析することを目的として行なわれた。本年度は、温度と密接に関連する遺伝子の候補として、熱ショックタンパク類の関連遺伝子のクローニングを行なった。これまでの研究からも予想されたが、鳥類のHSPとの相同性が高いと言う事が判明した。さらに、ワニは初期発生の一定の時期(ステージ19から24まで)の温度が重要で、この時期に性が決定する事が分かっている。オスになる温度、メスになる温度でそれぞれ処理した初期胚から生殖腺を摘出し、今回得られたHSP群の発現パターンを調べたところ、いずれのHSPもすでにステージ19から発現している事がわかった。さらに、その発現量は発生にしたがって増減することはなく、ほぼ一定のままであった。また、オスとメスでの差は観察できなかった。この結果は、温度依存性の性決定機構をもつワニでは、その性決定にはHSPは関与しないのではないかということを示唆している。しかし、メスへの分化に必要と考えられているエストロゲン受容体のか活性化機構にはHSPが関連することも知られているので、今後、さらに局在などを調べ性決定とHSPの関連を詳細に調べる必要があると考えている。さらに、オスへの分化に必要だと考えられる、抗ミュラー管ホルモン(AMH)遺伝子の全長のクローニングに成功した。また転写調節領域の単離も完了しており、今後どのように温度からの刺激がどのようにAMHの発現調節に繋がっていくのかを解析していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Molecular cloning of estrogen alpha (ERα, ESR1) of Japanese giant salamander, Andrias japonicus.2006

    • 著者名/発表者名
      Katsu Y, Kohno S, Oka T, Mitsui N, Tooi O, Santo N, Urushitani H, Fukumoto Y, Kuwahara K, Ashikaga K, Minami S, Ohta Y, Kato S, Guillette L, Iguchi T
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Endocrinol. 257-258

      ページ: 84-94

  • [雑誌論文] Tissue specific expression of Clec2g in mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Katsu Y, Iguchi T
    • 雑誌名

      Euro. J. Cell Biol. 85

      ページ: 345-354

  • [雑誌論文] Phosphorylation of the p34(cdc2) target site on goldfish germinal vesicle lamin B3 before oocyte maturation.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi A, Katsu Y, Matsuyama M, Yoshikuni M, Nagahama Y
    • 雑誌名

      Euro. J. Cell Biol. 85

      ページ: 501-517

  • [雑誌論文] Effects of bisphenol A given neonatally on reproductive functions of male rats.2006

    • 著者名/発表者名
      Kato H, Furuhashi T, Tanaka M, Katsu Y, Watanabe H, Ohta Y, Iguchi T
    • 雑誌名

      Reprod. Toxicol. 22

      ページ: 20-29

  • [雑誌論文] Cloning and differential expression of estrogen receptor and aromatase genes in the self-fertilizing hermaphrodite and male mangrove Rivulus, Kryptolebias marmaratus.2006

    • 著者名/発表者名
      Orlando E, Katsu Y, Miyagawa S, Iguchi T
    • 雑誌名

      J. Mol. Endocrinol. 37

      ページ: 353-365

  • [雑誌論文] Ontogenic expression of estrogen receptor α in female rat corneas.2006

    • 著者名/発表者名
      Kato H, Naito K, Katsu Y, Watanabe H, Ohta Y, Iguchi T
    • 雑誌名

      Ophthalmic Res. 38

      ページ: 361-365

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi