研究概要 |
安永は、電子顕微鏡像の単粒子解析方法の開発を進めた。まず、電子顕微鏡像の自動抽出のために、SVM(support Vector machine)を用いた新規のアルゴリズムを開発し、Wseas Trans.Biol.Biomed.に報告した。さらに、電子顕微鏡像のデフォーカスによる像の歪みを高速に補正するためのプログラムを開発した。次に、単粒子解析三次元再構成法のための新規の角度決定法として特徴量抽出法をもちいた角度決定法を開発し、この手法は従来の共相関法に比べ雑音に強いということがわかった。傾斜シリーズを用いた三次元再構成法に関して、迅速かつ高精度の解析システムを構築し、インテグリンに適用し、有効であることを示した。構造分類に関しては、主成分分析とクラスター解析を組み合わせた手法を開発してきた。ミオシンII/VI/IX,ダイニンなどの分子モーターに開発した手法を適用し、現在、三次元像を確度の高いものとしているところである。さらに、筋肉の細いフィラメント内部のトロポニンIのC末端サブドメインの位置を電子顕微鏡法で同定し、NMR観察の情報を統合化することにより、J.Mol.Biol.に報告した。また、鞭毛内部での軸糸内椀ダイニンcの配置をクラスター分類、精密化による画像処理法を用いて同定し、J.Biol.Chem.に報告した。電子顕微鏡法により得られた三次元構造の原子モデリングのための新しいアルゴリズムを開発し、J.Plasma.Phys.に印刷中である。
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