研究課題/領域番号 |
17054004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
深水 昭吉 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60199172)
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研究分担者 |
大徳 浩照 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (30361314)
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キーワード | フォークヘッド / アルギニンメチル化 / 複合体精製 / 酸化ストレス / ユビキチン化 / UV損傷 / 修復 / 複製 |
研究概要 |
申請者らの研究から、Foxo1がDNA損傷を修復する多数の因子群と複合体を形成していることが判明し、Foxo1のDNA修復への関与が示唆された。DNAの損傷・修復と寿命・老化現象との関連性は既に指摘されていることから、申請者らはDNA損傷・修復系とFoxo1について注目して、昨年に引き続き、以下の計画を実施した。 ・FoxoファミリーがDNA損傷修復機構に関与する可能性の検証:RNAi法によりFoxo1をノックダウン(KD)した細胞にUV照射を行った結果、アポトーシスが誘導された。フォークヘッドファミリーの一つであるFoxo3aについても同様な実験を行ったが、アポトーシスの誘導は確認されなかった。以上より、Foxo1とFoxo3aはUV誘導型DNA損傷に対して、異なる応答機能を有することが示唆された。 ・Foxo1複合体の細胞内動態:Foxo1と複合体を形成する因子について、細胞内の動態を観察した。方法として、蛍光抗体法Duolinkを用いて、14-3-3因子との共局在性を検討した結果、両因子は細胞質で複合体を形成することが明らかになった。この新しい方法を利用し、UV照射時に形成されるFoxo1と複製複合体の細胞内動態を詳細に検討する予定である。 ・Foxo1とDNA修復因子の結合に関する検討:Foxo1とDNA修復因子が結合するのはDNA上なのか否かをChIP assayおよびReChIP assayを用いての検討を行った。その結果、乗り越え修復に重要な役割を果たす複数の因子との相互作用が見出された。 ・DNA損傷時の翻訳後修飾状態の解析;Foxo1をKDした細胞におけるアポトーシス誘導時に活性化・不活性化されるシグナルを同定するため、チェックポイントに関与する因子について検討した。その結果、チェックポイント因子のリン酸化が亢進していることが明らかとなった。 ・線虫のUV損傷耐性についての検討:UV照射に対する線虫の耐性について、Foxoのオルソログであるdaf-16変異株を用いて予備検討を行った。その結果、daf-16はUV照射に対して感受性が向上していることが明らかになった。線虫においても、フォークヘッドファミリーが、DNA損傷において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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