研究課題
1)NRDFの機能解析本研究計画で、ユビキチンリガーゼであるNRDF遺伝子欠損マウスを作製して、胎生致死になることを見出した。ERαの遺伝子欠損マウスは胎生致死にはならないことから、NRDFにはERα以外の標的分子が存在すると考え、標的因子の探索を行った。その結果、転写抑制に働くクロマチン因子であるNuRD複合体がNRDFと相互作用することを見出した。しかしながら、NRDFがNuRD複合体の構成因子をユビキチン化してその機能を制御するという確証は得られていない。また、NRDFをノックダウンすることにより、p21の量が減少することを見出しているので、その分子機構と生理的な意義を探っている。2)ユビキチン化・分解を介した細胞内情報伝達経路間クロストークの解析申請者らはTGFβの2ndメッセンジャーであるSmadがエストロゲン依存的に分解されることを見出した。その分子機構として、エストロゲン存在下で、ERとSmadがユビキチンリガーゼであるSmurfと三者複合体を形成して、分解が誘導されることを見出した。その結果として、TGFβシグナルが遮断されて、癌の転移が抑制された。また、ERだけでなく他の核内受容体も、そのリガンド依存的にSmadを分解することにより、TGFβシグナルが阻害されることを見出した。TGFβシグナルの遮断は、癌の転移や組織の線維化を抑制することから、将来的には疾患の治療への応用につながることが期待できる。
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