研究課題
核内レセプターの1つである、エストロゲンレセプター(ER)をユビキチン化するユビキチンリガーゼCHIPを見出し、CHIPの発現と乳癌の増悪に負の相関があることを明らかにした。さらに、乳癌細胞中のCHIPの発現量を増加もしくはRNAiによって減少させ、乳癌の腫瘍形成と肺転移に対する影響を検討した。その結果、CHIPの発現量増加は、乳癌の腫瘍形成と肺転移を強力に抑制し、逆に、発現量低下は腫瘍形成と転移を促進することが明らかになった。さらに、CHIPの乳癌増悪抑制メカニズムを探るため、CHIPの標的となる蛋白質を探索し、Amplified In Breastcancerl (AIB1)を同定した。CHIPはAIBiをユビキチン化し、分解を誘導することで乳癌の転移を抑制することが明らかとなった。AIB1は転写因子であり、Smad, Twistといった転写因子の上流に位置してこれらの因子の転写を促進し、乳癌の転移を促進していることも併せて明らかにした。一方、乳癌の腫瘍形成に関してはAIB1が関与しないことから、腫瘍形成に対して促進的に働き、CHIPの標的となる蛋白質も存在するものと考えられるため、現在そのタンパク質の同定を進めている。
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