研究課題/領域番号 |
17054022
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 富山大学, 薬学部, 教授 (70192515)
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研究分担者 |
高野 克彦 富山大学, 薬学部, 助手 (50293303)
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キーワード | 基本転写因子 / TFIIE / TFIIH / Znフィンガードメイン / フォークヘッドドメイン / RNAポリメラーゼII(Pol II) / Rpb5 / Rpb12 |
研究概要 |
1.ヒトTFIIEの構造-機能解析 ヒトTFIIEαのZnフィンガードメインの4個のシステインのC129A、C132A、C154A、C157Aの点変異に関して、構造をさらに詳しく解析した。その結果、ZnフィンガーのN末側とC末側で構造の安定性が異なるという結果が得られた。次にαのN末端に見出されたフォークヘッドドメインの機能解析を点変異を用いて行ったところ、転写開始から伸長への移行に重要であることが明らかになった。TFIIEβサブユニットのフォークヘッドドメインは二本鎖DNAとの結合に重要であり、同じような構造をしていても機能が異なることが明らかになった。また、βサブユニットC末にも転写開始から伸長への移行に関わる領域を見出しているが、構造的にαN末端フォークヘッドドメインとは全く異なった。 2.分裂酵母TFIIEとRNAポリメラーゼII(PolII)の相互作用の解析 分裂酵母TFIIEの2サブユニットとPolIIの12サブユニットの各々との結合を調べたところ、TFIIEαはRpb5、βはRpb2とRpb12に強く結合した。PolIIは転写開始の際にクランプ領域にあるRpb5とRpb2が構造を変化させる。転写の際にPolII活性中心近傍にTFIIEが結合するという事実と合わせ、この構造変化をTFIIE、特にそのαサブユニットが制御するモデルを提唱した。 3.メディエーター複合体の解析 核内シグナル伝達に関わるメディエーターのサブユニットにタグを付け発現させるヒトHeLa細胞株を我々で確立し、これからメディエーターを精製したところ、3つのサブタイプからなることが分った。siRNAを使ってキナーゼ活性をもつCDK8サブユニットの発現を抑制して転写における影響を見たところ、転写活性化が大きく抑制された。このことはCDK8が転写において活性化に関与していることを初めて示す結果である。
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