研究課題/領域番号 |
17054022
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 富山大学, 大学院医学薬学部, 教授 (70192515)
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研究分担者 |
廣瀬 豊 富山大学, 大学院医学薬学部, 助手 (00218851)
田中 亜紀 富山大学, 大学院医学薬学部, 助手 (50432109)
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キーワード | 基本転写因子 / TFIIE / フォークヘッドドメイン / RNAポリメラーゼII(Pol II) / Rpb12 / TFIIH / メディエーター複合体 / CDK8 |
研究概要 |
1.ヒトTFIIEの構造-機能解析 ヒトTFIIEαのN末端に見出されたフォークヘッドドメインの機能解析を点変異を用いて行ったところ、転写開始から伸長への移行に重要である領域、TFIIEβサブユニットとの結合領域が同定された。また、TFIIEαC末端のTFIIHのP62サブユニットとの特異的結合領域の構造と機能の解析を開始して、NMRによる構造決定を行っている所である。 2.ヒトTFIIEとRNAポリメラーゼII(PolII)の相互作用の解析 これまでに分裂酵母TFIIEの2サブユニットとPolIIの12サブユニットの各々との結合を調べたところ、TFIIEαサブユニットはRpb5、βサブユニットはRpb2とRpb12に強く結合した。そこで今回、ヒトにおいて同様に解析したところ、βサブユニットは分裂酵母と同様、Rpb2とRpb12に強く結合することが分った。ところが、TFIIEαはどのサブユニットにも非特異的に結合した。さらにTFIIEβのRpb12結合領域を変異体を用いて同定したところ、200番目のアミノ酸残基付近の芳香族アミノ酸と塩基性アミノ酸が結合に関わることが明らかとなった。これまでにC末端のbHL領域の塩基性アミノ酸がPolIIの結合に重要なことを見つけていたことと合わせると、Rpb2サブユニットがそのC末端領域に結合することが考えられる。 3.メディエーター複合体の解析 核内シグナル伝達に関わるメディエーターのサブユニットにタグを付け発現させるヒトHeLa細胞株を我々で確立し、これからメディエーターを精製したところ、3つのサブタイプからなることが分った。siRNAを使つてキナーゼ活性をもつCDK8サブユニットの発現を抑制して転写における影響を見たところ、転写活性化が大きく抑制された。このことはCDK8が転写において活性化に関与していることを初めて示す結果である。
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