研究課題
真核細胞の核内ではゲノムDNAは様々な蛋白と相互作用しクロマチンを形成する。クロマチンテンプレートは遺伝子転写開始、伸長を抑制する。アセチル化、メチル化、ユビキチン化など様々なヒストン翻訳後修飾は遺伝子転写、修復、複製と関連している。本年度は研究をさらに発展させ、肝臓再生のモデルを用いてヒストンの翻訳後修飾と遺伝子転写、生物学的な現象の関連を明らかにした。肝臓再生後転写が上昇する遺伝子プロモータ領域においては、USP21によるプロモータ領域の脱ユビキチン化が引き起こされる。引き続いて脱ユビキチン化はヒストンH3メチル化酵素MLL3によるヒストンH3K4のメチル化を許容する。ユビキチン化ヒストンはMLL3の基質にならないが脱ユビキチンかヒストンはMLL3の基質になることを試験管内の実験により明らかにした。これらのクロストークによりカスケードが形成され、肝再生に必要な遺伝子転写がプロモータ領域の脱ユビキチン化により開始される。
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Genes Dev 24
ページ: 159-170
生化学 Vol 82
ページ: 232-236