研究課題/領域番号 |
17063005
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
星野 光雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 名誉教授 (40023626)
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研究分担者 |
田中 剛 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 准教授 (30324403)
束田 和弘 名古屋大学, 博物館, 助教 (80303600)
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キーワード | 考古学 / 環境変動 / 環境地質学 / 環境化学 / 年代測定 / 第四紀 / シリア / ユーフラテス河 |
研究概要 |
現地調査:第10次(2009年8月:星野、齋藤、桂田)及び第12次(2009年11月:束田、桂田)合同現地調査に参加した。前者では2地点を選んでボーリング調査を実施し、花粉分析用の堆積物試料を採集した。後者では河成堆積物の礫層に焦点を絞り、礫種構成を詳細に調査した。 室内実験:(1)上記ボーリング試料(延べ30mコア)から100か所を選んで花粉分析に供した。堆積物最上部でアカザ科が増え、ヨモギ属が減っていることなど、興味深い結果が得られた。(2)構成礫種の調査からは、ガーネム・アリ遺跡出土の石器・石核の原料は段丘礫層の細粒珪質礫がほとんどであることがわかった。(3)段丘堆積物にみられる石膏コンクリーション(ユーフラテス小僧と命名)の化学分析から、ユーフラテス・グラーベンでの石膏成分の物質循環の議論が可能である。(4)遺跡出土のアスファルト製品(充填剤)と天然アスファルトを化学分析して、各成分含量が互いに酷似しているかどうかを調べた。結果は、テル出土のアスファルト製品は、熱を加えられていることが原因でいくつかの揮発性成分が失われているため、天然アスファルトとの対比は難しいとの結論が得られた。(5)<14>^C年代測定による編年では、3100 cal BCから2050 cal BCの期間に居住の形跡が認められる。 国際シンポジウム・領域シンポジウム・研究会:東京での国際シンポジウムでは、星野と中村が代表で発表し、名古屋での国際シンポジウムでは、星野、田中、中村、吉田、齊藤が発表を行った。ほかに、3回の領域シンポジウムに参加し、6回の班研究会を開催した。
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