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2006 年度 実績報告書

「シュメール文字文明」の成立と展開

研究課題

研究課題/領域番号 17063006
研究機関国士舘大学

研究代表者

前川 和也  国士館大学, 21世紀アジア学部, 教授 (60027547)

研究分担者 前田 徹  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80116665)
依田 泉  常磐大学, 国際学部, 教授 (40285747)
森 若葉  国士館大学, 総合地球環境学研究所, プロジェクト上級研究員 (80419457)
キーワードシュメール文宇 / メソポタミア / ユーフラテス流域地方 / 粘土板文宇記録システム / シリア / アッカド語 / 都市国家 / 前3千年紀
研究概要

本研究は、主として前3千年紀のイラク(南北メソポタミア)およびシリア地方においてシュメール文字を用いる粘土板文字記録システムがどのように利用されたかを探り、また粘土板にみえる政治、文化、社会の実相を考究しようとする。文字記録システムは前4千年紀末にメソポタミア最南部で成立するが、おそくとも前3千年紀中葉にはシリア西北部にいたる各地で受容される。セム語を話す人々もこのシステムを利用することによって、成立・発展途上にあった都市国家の管理・運営を容易にしたのであった。この目的にそってわれわれは各自の専門時代、領域の研究を深めるとともに、平成18年1月には京都において班員全員、また研究協力者堀岡晴美、ハイダル・ウレビ(ともに国士舘大学グローバルアジア研究科)も加わった研究会を開催し、各自の報告が行われた。また班員依田泉は、平成19年2月には、特定領域研究メンバーによって実施されたユーフラテス流域地方の遺跡調査に加わっている。
平成18年度には前川がシュメール文字記録によって前3千年紀イラク、シリア世界がいかに一体化していたかを、ウマ科動物にかかわる諸語の分析、またウマ科動物の利用の側面から明らかにすることができた。また前田はメソポタミア南部において「蛮族」イデオロギーは前2千年紀に入って成立するのであり、前3千年紀には、南部メソポタミアの都市支配者が、シュメール人、セム人、あるいは東方エラム人であろうとさほど問題視されていないことを証明した。前川、前田の業績ともに、シュメール語、アッカド語という言語のちがいは、前3千年紀には国家組織の運営法、さらにそれを支えるルイデオロギーに深刻な影響を及ぼしてはいないことを示している。いっぽう森は前3千年紀のシュメール語とアッカド語の相互影響をさぐり、シュメール語動詞組織がアッカド語の影響によって次第に変遷していく状況を考察している。依田は、シュメール語法律文書とアッカド語法典を対比しつつ、刑罰観念を考察した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] キシュとウルクの対立2007

    • 著者名/発表者名
      前田徹
    • 雑誌名

      史朋 39号

      ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 前3千年紀メソポタミア・シリアのイエロバとノロバ : 再考2006

    • 著者名/発表者名
      前川和也
    • 雑誌名

      西アジア考古学 7号

      ページ: 1-19

  • [雑誌論文] メソポタミア・シリアの一体化 : イエロバおよびペルシアノロバをめぐって2006

    • 著者名/発表者名
      前川和也
    • 雑誌名

      文部科学省科学研究費補助金特定領域研究・セム系部族社会の形成(領域代表者大沼克彦)平成17年度研究報告

      ページ: 45-51

  • [雑誌論文] メソポタミアにおける統一王朝と周辺異民族の侵入 : 蛮族侵入史観再論2006

    • 著者名/発表者名
      前田徹
    • 雑誌名

      西洋史論叢 28号

      ページ: 1-13

  • [雑誌論文] キシュとウルク2006

    • 著者名/発表者名
      前田徹
    • 雑誌名

      文部科学省科学研究費補助金特定領域研究・セム系部族社会の形成(領域代表者大沼克彦)平成17年度研究報告

      ページ: 52-54

  • [雑誌論文] シュメール語とアッカド語のs音とs音について2006

    • 著者名/発表者名
      森若葉
    • 雑誌名

      文部科学省科学研究費補助金特定領域研究・セム系部族社会の形成(領域代表者大沼克彦)平成17年度研究報告

      ページ: 55-57

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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