研究課題
最終年度である21年度も前年度に引き続き、西アジア由来の古人骨の観察、計測、CTスキャン、分析(DNA分析、およびCT画像解析をふくむ)、およびビシュリ山系北麓調査地への発掘参加と発掘人骨の整理、計測、分析等であった。古人骨分析では京都大学および東京大学に保管されている西アジア由来、とくにメソポタミア出土の古人骨分析をおこなった。古人骨のDNA分析を続けたが、現在までのところ良好なコラーゲンの抽出がでず、今回、分子学的な分析は断念せざるを得なくなった。しかし、良好な標本を選択し抽出の試みを今後も続けたいと考えている。現地調査では藤井隊が昨年に続き2個の頭骨標本を発掘したが、いずれも未成年であり、また日本に持ち帰り、詳しく分析するためのシリア政府の許可が得られず、ノギスなどの伝統的な計測を行い、頭骨のCTスキャンによる分析は今後の問題として残された。いずれにせよ、これまでに得られている古人骨標本はきわめて少量である。形態学的に、また分子学的に西アジアにおけるセム系部族の形成に対して形質学的にアプローチするには発掘を継続し、とくににBC3000年からBC1000年への間からの標本を多数得ることが肝要である。これは昨年行ったメソポタミア由来の幼児の乳歯形態の分析では、この時期、BC2000年頃に形態的な変化が見られ、頭骨などにも、そのような変化が起きている可能性が高く、今後の研究課題としたい。
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