研究課題
1. テル・ガーネム・アル・アリ遺跡直近の前期青銅器時代墓群の調査を5月と10月の2次にわたって実施した。今回の調査では計6基の盗掘された石室墓の発掘と墓群の踏査を行った。踏査では計33の墓群、総数151基の墓を確認した。その結果、1) 造営年代が前期青銅器時代後半とみて間違いないこと、2) 調査地の墓群が4つに類型化され、それぞれの類型が個別の景観立地を有していることがわかった。ビシュリ山系の定住農耕民の墓制や部族制を究明するうえで大きな成果をあげたと言える。2. テル・タバン遺跡の発掘調査を8月初旬から9月末まで実施した。テルの北側に東西24m、南北20mのトレンチを設定し発掘を行った。調査の結果、5つの時期に大別される厚さ約2mから7mの公的建物跡と推測される巨大日幹煉瓦造の壁跡を検出した。このトレンチでは新アッシリアから中期アッシリア時代の連続した層序が認められ、タバンの歴代王が構築した建造物の特定やアッシリア時代の標準となる土器編年を確立するうえで有効な資料を得ることができた。上記の調査と並行し、前年度発掘した西側地区のトレンチの継続発掘調査を行った。最大の発見は、中期アッシリア時代の医術・呪術粘土板文書が出土したことである。粘土板文書が出土した地点の近くに、宗教・文学文書を集めた文書庫(図書館)が存在する可能性が非常に強く、今後の調査で、こうした文書庫が発見された場合は、これまでのタバン調査では最大の発見になるのは確実である。今回の調査では46点の中期アッシリア時代の楔形文字資料を採集した。これらの解読を文献班の山田、柴田が現地で行った。なお、山田、柴田は7月にドイツで開催された国際アッシリア学会で、タバン調査で出土した文字資料の報告を行い欧米研究者達から注目を浴びた。
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オリエント 51-1
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Newsletterセム系部族社会の形成 14
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第16回西アジア発掘調査報告会報告集
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セム系部族社会の形成研究集会報告集-シリア・メソポタミア世界の文化接触 : 民俗・文化・言語-
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Excavations at Tell Talban, Hassake, Syria : Preliminary Report on the 2007 Season of Excavations, and the study of cuneiform Texts
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ラーフィダーン 30
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