イラクの既知の遺跡をデータベースに入力するために、位置を確認し、分析項目を設定して、遺跡のデータベース化を進めた。それを受けて中南部キシュ・バビロン地域(セム系アッカド・バビロン文化圏)の衛星画像を取得し、画像の解析を試み、その解析状況のデータベース化を協議しながら進めた。また中南部キシュ・バビロン地域(セム系アッカド・バビロン文化圏)と南イラク特に失われた湿地地帯での遺跡を含むウルク地域(シュメール文化圏)については、イラク考古遺産庁長官や調査部長の日本招聘やヨルダンでのイラク文化遺産研究関係者の研修の中で、新たな遺跡の分布調査結果のデータベース化を進めながらGISによるデータベース化も進めている。さらにプロジェクトの最終年度の21年度に予定していたシリア地域のセム系源流地域ビシュリ山系のデータベース化については本研究プロジェクトによる遺跡分布調査を進める必要から、この地域の衛星画像を購入し、特徴的な遺跡の解析を進めた。今後も既に調査され確認されている西アジアの遺跡群の位置、大きさ、地質、堆積状況、植生、形成年代などを解析し、遺跡の基礎的な形成要因のデータベース化を進めていきたい。
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