研究分担者 |
藤原 毅夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011113)
今田 正俊 東京大学, 物性研究所, 教授 (70143542)
酒井 治 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (60005957)
高田 康民 東京大学, 物性研究所, 教授 (00126103)
吉本 芳英 東京大学, 物性研究所, 助手 (80332584)
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研究概要 |
(1)波動関数理論のひとつであるトランスコリレイティッド法に基づいた固体の電子状態計算手法を開発し,半導体(Si,C)でのテスト計算を行って,ハートリー・フォック近似で過大評価されていたバンドギャップの値が大幅に改善されることを示した。また金属のフェルミ面での異常が解消されることを,電子ガスの計算によって示した。 (2)密度汎関数法を用いた電子状態計算をもとに,繰り込み群のコンセプトに基づいたダウンフォールディングの手続きによって,フェルミ面の近くの低エネルギー有効模型を導き、この有効模型を精度の高い計算手法で解くことによって、物性を予測するハイブリッド手法,DFT-PIRGの方法をSr_2VO_4に対して適用した結果、Sr_2VO_4が反強磁性絶縁体と金属の相境界の近傍にあることがわかった。さらに、実験的には解明されていないスピン、軌道秩序についても予測が可能になった。 (3)GW近似の高速・大規模化とLaMnO_3への応用を行った。また,第一原理手法で求めたLa_<3/2>Sr_<1/2>NiO_4の種々のパラメタを用いて有限系での厳密対角化およびモンテカルロシミュレーションを行った。 (4)補助的一不純物問題の解法としてNCAf2v'と名付ける方法を開発し,LMTOバンド計算に組み込んだコードを開発し,CeSbなど幾つかの系への適用を開始した。 (5)電子ガスに埋め込まれた1原子系の研究に着手したが,今年度はその準備段階としてLDAにおける電子状態、とりわけ、スピン分極の様子を調べた。その結果、sp電子系であるB、C、N、Oにおいては電子ガスの電子密度が薄くなるとともにスピン分極が出現することを見いだした。
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