研究課題/領域番号 |
17064006
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
鈴木 直 関西大学, システム理工学部, 教授 (40029559)
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研究分担者 |
草部 浩一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (10262164)
樋口 雅彦 信州大学, 理学部, 准教授 (10292202)
樋口 克彦 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (20325145)
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キーワード | 密度汎関数理論 / 対密度汎関数理論 / 有効多電子理論 / 拡張された制限付き探索理論 / 高精度電子状態計算 / 負性有効電子間相互作用 / 交換・相関エネルギー / ヴィリアル法 |
研究概要 |
密度汎関数理論が有効多電子モデルの系列を発生する基礎理論を与えることに着目して、既存の近似方法を超える精度をもった計算手法を系統的に与える理論形式を導くことを主題とした研究を行い、以下に示す成果を得た : (1) 自己無撞着解を逐次的に与えるモデル空間における定義された方向に限ることで汎関数微分を定め、高精度電子状態計算手法を最適化解として与える理論を定式化するとともに、具体の計算技法開発も行った。(2) Yoshida-Zungerによって提案された荷電励起誘起メカニズムによる負性有効電子間相互作用の微視的起源に関して、クーロン相互作用の非対角項を通した散乱メカニズムの存在を指摘するとともに、この負性電子相関メカニズムの存在を微視的に証明するための、有効多電子模型の最適化手法に基づく評価手続きが実行可能であることを明らかにした。 拡張された制限つき探索理論(ECS理論)に関しては、以下の成果を得た。(1) 対密度の再現に単一スレーター行列式を用いた対密度汎関数理論を用いて実際に原子構造計算を行い、約20%の相関エネルギーが再現されることがわかった。この理論をさらに発展させ、対密度の再現に複数のスレーター行列式を用いた対密度汎関数理論の開発も行った。(2) ECS理論の交換・相関エネルギー汎関数に含まれる相関運動エネルギー汎関数に関する新しい総和則を導出した。得られた総和則と以前報告したヴィリアル関係をあわせることで、相関エネルギー汎関数に関する新しい総和則を導いた。(3) Kohn-Sham軌道に依存する交換・相関ポテンシャルを求める新しい方法「ヴィリアル法」を開発した。テスト計算として原子構造計算を行い、OEP-KLI法と同程度の精度が得られること、および計算時間がOEP-KLI法に比べ格段に改善されることを確かめた。
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