研究課題/領域番号 |
17064013
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長柄 一誠 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (10135676)
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研究分担者 |
下司 雅章 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (70397660)
小田 竜樹 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30272941)
長尾 秀実 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30291892)
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キーワード | 高圧 / 圧力誘起超伝導 / 磁性 / 構造相転移 / 新物質 |
研究概要 |
高圧極限環境下での物質シミュレーションには、高圧下での物性、例えば構造相転移、磁性、超伝導関してより信頼性高く物性予測が可能な手法の開発、そしてその応用にはそれが高速に実行できるコードが必要である。コード開発および、利用可能な既存コードの適用範囲の確認、正確な物性予測のためのコードの改良を同時におこなっている。本年度重点的に行った研究を挙げる。 (1)メタ・ダイナミクス法によりCa-IV相、Ca-V相の未知構造解明を試み、Ca-IV相、Ca-Vに関して、ほぼ構造を特定できた。 (2)固体酸素のε相の磁性と構造に関しては、本年度に実験的な構造決定がなされたが、現在の第一原理計算では安定構造を再現できていない。また理論、実験ともに磁性に関する議論は収束していない。磁性を考慮した第一原理計算により酸素の高圧構造と磁性に関する研究を進めている。 (3)圧力誘起超伝導に関しては、格子振動と電子格子相互作用からのTcの評価を昨年度に続いて行っている。しかしCa, CaS_<i2>等については、高圧下での擬ポテンシャルの問題があり、また単一ギャップ理論が利用出来ない例として、新しい手法を試みている。 (4)CaN, SrNの新磁性物質に関しては、磁性の起源に関する研究を通して、計算結果の信頼性を高める研究を行った。 今年度の研究は、困難が予想されたものへの挑戦の意味を持っており、まだ研究の中途にあるものも多く、今後継続して研究を進める。
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