研究概要 |
酸化反応は広く研究され膨大な知見の蓄積があるにもかかわらず,不活性炭素分子であるアルカンおよびベンゼンなどの炭化水素類の酸化反応手法の開発はこの半世紀間大きな方法論的進展が見られていない。本研究は,N-ヒドロキシフタルイミド(NHPI)に代表されるN-ヒドロキシイミドを分子触媒として利用し,触媒的炭素ラジカル生成を経る不活性炭素分子の酸化反応による様々な有用な有機化合物の新合成法の開発を行った。また,モリブドバナドリン酸およびPd(II)/モリブドバナドリン酸触媒系による分子状酸素を用いたベンゼンのC-H結合の直接活性化を伴う酸化反応について検討した。
|