研究課題
1、環境低負荷型酸化プロセスの開拓について:平成20年度は中性条件・室温で極めて効率良く作用する触媒系を新たに見出し、α-ピネンをはじめとする各種テルペン類のエポキシ化方法を開発した。触媒量のタングステン酸ナトリウム(Na_2WO_4)、アンモニウム塩([(^nC_8H_<17>)_3CH_3]HSO_4)、フェニルホスホン酸、および水酸化ナトリウムの存在下、α-ピネンに対し60%H2_O_2を25℃で16時間作用させることで、目的とするα-ピネンオキシドを収率87%で得ることに成功した。本手法は各種テルペンをそれぞれ収率80%以上で合成することが可能なうえ、100gスケールにも対応可能である。2、回収可能な触媒開発について:前年度想定外に開発した、「マグネタイトをベースとする相関移動触媒」に関連してさらにクラウンエーテルを鉄の酸化物(フェライト)に組み込むことに成功した。この磁石に担持されたクラウンエーテルは固相-液相の相間移動触媒として利用が可能であり、例えば、ベンジルブロミドへの酢酸カリウムの求核置換反応において、母体であるクラウンエーテルよりも高い触媒活性を示した。また、触媒の回収再使用も可能であり本触媒を相間移動触媒として過酸化水素と組み合わせることで回収再使用可能な酸化反応開発検討を行った。
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