研究課題/領域番号 |
17066003
|
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60179893)
|
研究分担者 |
本多 裕之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70209328)
神保 泰彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20372401)
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50288627)
|
キーワード | 細胞チップ / シグナル応答 / ニューロン / 神経回路 / ensemble recording / 電極アレイ / 表面プラズモン / ペプチドアレイ |
研究概要 |
1.一細胞の分解能を有する細胞集団チップ、網羅的細胞シグナル応答解析(民谷) 一細胞レベルでかつ10万を超える細胞数を網羅的に配置できるマイクロチャンバーアレイを作成し、これを用いた免疫系細胞の解析を行なった。細胞シグナルとして細胞内カルシウムを指標として刺激前後の細胞応答を網羅的に解析できた。また、一細胞レベルで発現している遺伝子のRT-PCRを実現し、基礎資料を得た。さらに、局在プラズモン共鳴デバイスを用いる非標識バイオセンサーを開発し、これをもちいて細胞間シグナル分子であるインターロイキン2の計測を行なった。 2.細胞-分子シグナル解明のためのペプチドインフォマティクスおよび細胞間ネットワーク解析のための組織構築(本多) 1細胞レベルでのシグナル応答を定量的に解析するために、細胞死シグナルリガンドTRAILの配列を利用したペプチドアレイを作製してJurkat細胞を用いて評価した。その結果、6個の新規アポトーシス死誘導ペプチドが発見でき、RNSCWSKDがもっとも高く、可溶性ペプチドでも効果があることがわかった。また、機能性ペプチドの探索と設計を目指して配列解析を行うためのツールの開発を行った。 3.Ensemble Recording(細胞集団の活動計測)及び解析(神保) 電極アレイ基板上にシンプルな神経回路を形成する手法につき検討した。具体的には、少数ニューロンからなるパターン化培養神経回路を長期安定に保持する技術として、個々の細胞の可視化に最適な「低細胞密度」と安定した成長に最適な「一定以上の細胞密度」を両立する局所的低密度培養法を開発し、その有効性を示した。 時間的、空間的に相関を持たせた電気刺激の繰り返しにより、神経回路活動に変化が生じることを示した。与えた電気刺激パターンの時空間構造に応じて細胞間信号伝達効率が変化するというモデルの下で実験結果が一部定量的に説明できた。 4.細胞シグナルチップの設計および製作(小西) 1細胞レベルのシグナル計測用電極を一体化した吸引固定孔を配したマイクロチャンネルアレイ(MCA)を神経細胞ネットワーク解析仕様に再構築した。試作したデバイスは、64チャンネルの電極アレイを搭載している。さらに、デバイス構造を透明化して、電気信号と同時に発光現象について観測を可能とするデバイスを設計、試作した。
|