研究概要 |
浜地は、特定のタンパク質を可視化イメージングできる手法として、アスパラギン酸連続配列とそれを選択的に認識できる蛍光性小分子プローブペアの創製に成功した。また、超分子ヒドロゲルアレイを基盤素材としたレクチンチップの構築に成功し、糖鎖や糖タンパク質のパターン解析あるいは糖鎖存在のクラスタリングによる細胞プロファイリングに成功した。 また杉本は、分子クラウディング環境でDNAが形成する二重鎖・三重鎖・四重鎖の構造安定性に対する定量データの比較から、構造体の種類によって分子クラウディングの作用が異なることを見いだし、この現象が構造体によって分子問相互作用及び金属イオンとの結合形態が異なるためであることを明らかとした。三原は、生体シグナル解析用のペプチドチップ創成のために平成17年度に合成したタンパク質特異的リガンド探索システムを構築するためのペプチドライブラリを利用し、リン酸化反応、特にキナーゼとホスファターゼの検出システムを構築した。またペプチドチップを利用したタンパク質解析のデータマイニングを行った。さらに新規ラベルフリーの検出システムである金の異常反射法をペプチドチップ用に構築した。特にデンドリマーによる3次元表面を用いた検出を実施した。養王田は、Thermococcus kodakaraensisのゲノム配列情報をもとに、Thermococcussp.KS-1プレフォルディンの4つのサブユニット遺伝子(α1,α2,β1,β2).をクローニングし、塩基配列を決定した。大腸菌内でそれぞれのα及びβサブユニット遺伝子を共発現させ、4種類のプレフォルディン複合体(α1-β1,α2-β1,α1-β2,α2-β2)を作成することに成功し、それぞれの詳細な機能を解析した。また、β1がシャペロン機能を有するホモテトラマーを形成することも発見した。金原は、シャペロニンGroELの人工物ゲストとして,表面にカルボキシレート基を有するデンドリマーポルフィリンが取り込まれることを示した。また,一度取り込まれたデンドリマーポルフィリンがATPを添加しても放出されないことが分かった。デンドリマー構造を利用することで,様々なプローブ分子をシャペロニンに導入できることを示唆する結果を得た。
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