研究課題/領域番号 |
17066005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浜地 格 京都大学, 工学研究科, 教授 (90202259)
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研究分担者 |
三原 久和 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (30183966)
杉本 直己 甲南大学, 理工学部, 教授 (60206430)
養王田 正文 東京農工大学, 共生科学技術研究部, 教授 (50250105)
金原 数 東京大学, 工学系研究科, 講師 (30282578)
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キーワード | バイオセンサー / DNA構造変化 / 分子クラウディング / ペプチドアレイ / 化合物ライブラリー / 分子認識 / 量子ドット / 機能性タンパク質 |
研究概要 |
A01班では、新しい人工分子や機能性材料の定量的パラメーターを用いた分子設計による合成と開発,その特性の解析と生体シグナル解析への利用というアプローチで多様な細胞内シグナルとなる物質群の網羅的解析に必要となる機能性分子群の創製を遂行している。その中で、浜地は、平成18年度までに成功した人工合成プローブとリン酸化タンパク質結合ドメインをハイブリッドして、特定のリン酸化ペプチドを配列選択的に蛍光変化としたセンシングできる新規な蛍光ハイブリッドバイオセンサーの構築に成功した。また、タンパク質の選択的ラベリングのための化学的新手法として、(1)リアクティブタグシステムの開発(2)リガンド連結触媒によるレクチン選択的ラベル化手法の開発に成功した。杉本は、疑似細胞内環境における核酸の挙動を熱力学的・速度論的に検討し、核酸とカチオンや水分子の結合を定量化した。さらに、PCRを高効率化する分子クラウディング剤を開発した。このように、非水溶液環境での核酸エネルギーのデータベース化が大きく進んだ。また、金属イオンや低分子化合物に応答して構造変化するDNAを開発し、センシングシステムへの展開が可能となった。三原は、平成18年度に合成した約200種のαヘリックスペプチドのライブラリを用いて、細胞毒性活性のスクリーニングアッセイを行った。ペプチドの静電荷が増すほどに細胞毒性は増加する蛍光にあるが、詳細には高い細胞毒性活性を有する特異的配列の獲得に成功した。また、同様なライブラリーからキナーゼ捕捉システムの構築に成功した。養王田は分子動力学計算によりPyroccous由来プレフォルディンの変性蛋白質認識結合部位を同定した。Thermococcus由来プレフォルディンのβ2サブユニット及びα1サブユニットのX線結晶構造を解明した。GPCR受容体結合ペプチド配列を導入したプレフォルディンを構築し、そのAntagonist活性を確認した。金原は、スピロピランにより修飾したシャペロニンGroELが、金属イオンの存在下直線状に配列し、チューブ状の超分子集合体を形成することを見出した。一方、様々な生体分子を分子間相互作用のみを介して修飾できる、ポリグアニジン型デンドリマーを開発し、実際にBSAをモデルとしてタンパク質と相互作用することを見出した。
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