研究課題
本研究者らは、液晶のもつ自発配向性や外場応答性を利用して、π電子共役ポリマーの新しい合成法を開発し、その階層的高次構造を制御し、新規の機能を導出してきた。具体的には、ネマチック液晶を重合溶媒に用いることで、重合時に直接配向した高導電性ポリアセチレンを合成した。また液晶基を共役系高分子の側鎖に導入することで、電気的異方性や発光二色性をもつ液晶性共役系高分子を世界に先駆けて合成した。さらに、キラルネマチック液晶を用いることで、従来にないらせん構造のヘリカルポリアセチレンや、外部電場に高速に応答する強誘電型液晶性共役系高分子を合成することに成功した。ごく最近、キラル液晶性に基づくらせん状共役系高分子を合成し、発光円偏光二色性を発現させた。本研究では、こうした研究成果と蓄積された知見をもとに、次の課題を推進することで、次世代共役ポリマーの超階層性らせん構造の制御と革新機能の創出を試みた。a)キラル液晶を反応場とする不斉重合法を確立・発展させ、ヘリカルポリアセチレンの合成展開のみならず、新たに、階層的らせん構造をもつ複素環および芳香環共役ポリマーを創成した。これにより、階層性を有するスパイラル形態の構築や、円偏光発光性(キラル発光)などの新しい光学的性質を発現させることを可能とした。b)側鎖型液晶性共役系高分子にキラル化合物を添加したり、主鎖型液晶性共役系高分子の側鎖にキラル置換基を導入することで、液晶性とらせん構造を併せ持つ共役ポリマーを合成した。次に、これらの発光時での直線偏光と円偏光性を確認し、多元機能を有する発光ポリマーを開発した。
すべて 2006 2005
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