ナノストラクチャーの構築18年度までは超階層構造の構築法として、スピンコート法を用いてきたが、共役リガンドの難溶性により、その薄膜形成に制限があった。19年度は超階層構造の構築法として、Langmuir-Blodgett法やこれまでに本研究グループが開発したSelf-Assembly法、さらにはSelf-lntercalation法を用いて、開発した有機・無機ハイブリッド次元制御材料の薄膜化、および組織体形成の検討を試みた。 さらなるナノストラクチャーの構築を目指して、フラーレン誘導体配位子の分子設計を行い、長鎖アルキル基を有する新たな誘導体を合成し、超階層構造の構築を行った。従来の材料と比較すると溶解性が向上し、上述のようなLB法やSelf-Assembly法を用いずに、2次元層状構造を有する均一な超薄膜が得られた。 応用検討購入したソーラーシュミレーターを用い、得られたハイブリッド材料の光導電性、光電変換能について解析を行った。アルキルアミンと無機半導体による量子閉じ込め構造を有する薄膜では、光導電性は観察されなかった。一方、上述のフラーレン誘導体配位子を用いたハイブリッド薄膜は光導電性を示すことがわかった。以上より、有機薄膜太陽電池の応用への可能性を見出した。
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