研究課題/領域番号 |
17068003
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
河口 仁司 山形大学, 工学部, 教授 (40211180)
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研究分担者 |
高橋 豊 山形大学, 工学部, 助教授 (00260456)
片山 健夫 山形大学, 工学部, 助手 (80313360)
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キーワード | 面発光半導体レーザ / 光双安定 / 偏光スイッチング / 全光型信号処理 / 全光型フリップ・フロップ / 全光型信号発生 / バッファメモリ / フォトニックネットワーク |
研究概要 |
偏光双安定面発光半導体レーザ(VCSEL)を用い、全光型フリップ・フロップ動作、全光型信号再生およびバッファメモリ動作を実現した。 (1)VCSELでは、偏光が直交する2つのモードの発振周波数は数GHz異なるのが一般的である。0°モードから90°モードへ発振偏光がスイッチする場合と、90°モードから0°モードへスイッチする場合、注入光の波長をそれぞれ最適化することにより、0.2〜0.3fJという世界最小の光入力で安定なフリップ・フロップ動作を実現した(スイッチング周波数540MHzの時)。又、双安定半導体レーザでは世界最高速であるスイッチング周波数10GHzまでの動作を確認した。 (2)全光型信号再生を実現した。90°偏光のデータ信号とセットパルスを、同じタイミングでVCSELに入射し、両者が同時に入射したときに、VCSELの発振偏光が90°にスイッチする強度に設定する。又、0°偏光のリセットパルスをパルス幅分の時間遅延を与えてVCSELに入射する。その結果、VCSEL出力光の90°偏光成分は、データ信号と同じビット符号をもつ光再生信号となる。実験を行い、比較的安定な光再生信号を得た。 (3)光バッファメモリ動作を実験的に確認した。90°偏光の入力データ信号と90°偏光のSetパルスをVCSELに注入すると,データ信号とSetパルスが同時に注入された時にのみVCSELの発振偏光が90°に切り替わり、データ信号の情報が発振偏光状態として記録される。VCSEL出力光を90°方向の偏光子に通してゲートをかけると、記録された情報が再生される。再生後にResetパルスをVCSELに注入すると、VCSELの発振偏光が0°に戻る。実験では、4ビットの入力信号から1ビットを抽出し記録/再生する基本動作を確認した。又、メモリの書き換えが可能なことも示した。
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