研究課題
H18年度の研究実績は、(1)東大・物性研で行っている真空紫外超高分解能光電子分光研究と、(2)SPring-8で行っている軟X線吸収、発光分光・光電子分光研究がある。(1)については0.1meVの超高分解能光電子分光システムの建設を行うべく、レーザー等の光学系の発注、整備、真空系の発注、整備を行った。エタロンを用いて、50μeVの発振幅を持つものを開発した。光電子分光器については、スウェーデンの業者と共同開発をし、80μeVの分解能を持つものを設計、共同開発をした。その結果、総合分解能0.15μeVを達成することができた。(2)については、SPring-8のビームラインBL27SUにおいて既設の固体表面軟X線分光装置をビームラインBL17SUに移設し、専用化させ、常時、使用ができるようにし、以下の研究を共同研究として行った。(2-1)窒素原子で修飾した銅(100)表面上に作成したコバルトナノドットの電子状態を光電子分光によって研究することを行い、1層のコバルトが多層の物より、幅が狭く、電荷移動によりシフトしていることを見いだした。この結果については理論家と共同研究により解析している(東大・小森研との共同研究)。(2-2)さらに、シリコン表面の界面について、内殻吸収と軟X線発光分光を組み合わせた測定を行うことで元素選択的かつ化学状態選択的に界面の価電子帯電子構造を明らかにした(武蔵工大・服部研との共同研究)。(2-3)一方、ルチルの表面欠陥状態について、吸収と共鳴光電子分光を行い、金属状態になっていることを明らかにした。
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