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2006 年度 実績報告書

ナノリンクのための有機パイ共役分子群の創製

研究課題

研究課題/領域番号 17069011
研究機関名古屋大学

研究代表者

山口 茂弘  名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (60260618)

研究分担者 若宮 淳志  名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60362224)
キーワード合成化学 / 有機導体 / ナノ材料 / ナノコンタクト / 光物性
研究概要

本研究では,分子と電極との接合,すなわち,「ナノリンク」の電気伝導特性の系統的な物性評価を可能にする新パイ共役骨格の構築と電極と分子とのスムースな電気的接合を可能にする新アンカー官能基の探索を目的とする.具体的には,架橋オリゴ(p-フェニレンビニレン)およびヘテロアセン骨格を基本構造に用いた新規π電子系分子の合成し,それらの構造解析,物性評価を行うとともに,他グループとの有機的な共同研究により単一分子の電気伝導特性の解明に取り組む.
本年度は,まず一次元分子ワイヤーとして新たな架橋オリゴ(フェニレンビニレン)類の開発に取り組んだ.(O-シリルフェニル)(O-ハロフェニル)アセチレンからの分子内求核的二重環化反応を新たに開発し,ケイ素/硫黄架橋ビス(スチリル)ベンゼンおよびその類縁体の合成を達成した.そして,それらの分子構造と固体構造との相関について詳細に調査し,適当な置換基の導入によりJ会合様式のパッキング構造の制御が可能であることを示した.また,縮環オリゴチオフェンを基本骨格とした対称型および非対称型ワイヤーの合成についても前年度に引き続き検討した.十分なπ共役鎖長をもち,かつ,比較的大量スケールで合成が可能な系としてテトラチエノアセン二量体を標的化合物に設定し,無置換二量体の合成を達成した.昇華法により単結晶を得ることにも成功し,その結晶構造解析により,非結合性S-S相互作用に基づいたface-to-face型πスタッキング構造を取ることを明らかにした.また,ベンゼン縮環ペンタチエノアセンについても結晶構造解析に成功し,同様のπスタッキング構造を取ることが分かった.この構造は,縮環オリゴチオフェンに一般的な構造であるといえる.また,ベンゼン縮環ペンタチエノアセンについては,単結晶を用いたFET特性評価も行い,安定でかつ高い電荷移動度をもつことを示した.また,この他,新たなアンカー置換基の探索も行い,ジベンゾホスホールを基本骨格とする化合物の設計と合成を行った.現在,この化合物の基板上での挙動の調査を進めている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] General Synthesis of Extended Fused Oligothiophenes Consisting of Even Number of Thiophene Rings2007

    • 著者名/発表者名
      T.Okamoto, K.Kudoh, A.Wakamiya, S.Yamaguchi
    • 雑誌名

      Chem. Eur. J. 13・2

      ページ: 548-556

  • [雑誌論文] Ladder Distyrylbenzenes with Silicon and Chalcogen Bridges : Synthesis, Structures, and Properties2007

    • 著者名/発表者名
      K.Mouri, A.Wakamiya, H.Yamada, T.Kajiwara, S.Yamaguchi
    • 雑誌名

      Org. Lett. 9・1

      ページ: 93-96

  • [雑誌論文] Single Crystal Field Effect Transistors of Benzo-Annulated Fused Oligothiophenes and Oligoselenophenes2007

    • 著者名/発表者名
      K.Yamada, T.Okamoto, K.Kudoh, A.Wakamiya, S.Yamaguchi, J.Takeya
    • 雑誌名

      Appl. Phys. Lett. 90・7

      ページ: 072102-072104

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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