研究課題/領域番号 |
17069013
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
塚田 捷 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90011650)
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研究分担者 |
小林 伸彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10311341)
森川 良忠 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80358184)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90197749)
馬越 健次 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (10116098)
上羽 弘 富山大学, 工学部, 教授 (70019214)
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キーワード | 分子架橋 / 第一原理計算 / 量子輸送 / 分子吸着系 |
研究概要 |
塚田は、ポリアセン架橋系などの電子と分子振動の相互作用を解析し、擬ポーラロン状態による電流電圧曲線を理論的に導いた。また、非弾性損失スペクトル関数により弾性トンネル過程と非弾性トンネル過程の移り変わりを考察し、ポーラロン障壁効果を検討した。小林は局在基底グリーン関数法を用い、分子架橋系の電流電圧特性の非線形性や負性微分抵抗を解析し、金属電極に接合した半導体ナノチューブの伝導度を評価した。赤木は、密度汎関数法により不飽和炭化水素類のSi(001)表面での吸着プロセスを調べ、異なる吸着構造が現れる機構を明らかにした。また、アルキル基吸着系における電場効果を調べ、I/V特性の非対称性を説明した。上羽は、単一分子非弾性トンネル分光における電流電圧特性2次微分のピークまたはデイップは、弾性および非弾性成分の競合により決まることを明らかにした。さらにトンネル電子に誘起される吸着分子の反応において、振動モード間結合の果たす役割を議論した。馬越は、位相のずれを用いた弾性電流の表式から、電気伝導度の最大値が量子化コンダクタンスの整数倍になることをしめした。森川は、分子スイッチの機構と関連して、表面での電場が吸着有機分子の構造と電子状態に及ぼす影響を調べた。またIDISモデルの適用限界について検討し、ベンゼンチオレートのPt(111)表面上での吸着構造と電子状態について研究した。相澤は、(金属)-(無機分子)-(有機分子)接合を第一原理計算によって検討し、NO分子がPt(111)表面のfcc-ホローサイトに結合する場合が安定であることを明らかにした。常行は、トランスコリレイティッド法により、絶縁体のバンドギャップがハートリー・フォック法や密度汎関数法に比べて改善されることを示した。
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