J-PARCで行うハイパー核γ線分光実験E13の準備を行った。 (1) ゲルマニウム(Ge)検出器群Hyperball-Jの建設 (1-1) 前年度に開発に成功した、放射線損傷に強い機械式冷凍機による低温Ge検出器について、検出器と冷凍機の接続部分の詳細設計を行い、部品を製作して、Ge検出器に接続して最終テストを行った。冷却性能は予想以上によく、分解能も十分であった。Hyperball-Jに必要なGe検出器の大部分を購入し、これらを冷凍機に接続してそれぞれの性能を確かめた。 (1-2) 前年度に開発に成功したPWOを用いた高速バックグランド抑止カウンターについて、本実験用に詳細設計を行い、PWO結晶を購入して製作を進めた。 (1-3) Hyperball-Jの架台を製作した。また、架台の中で検出器の位置を調整するための制御機構を開発・製作した。 (2) 磁気スペクトロメータ系(SksMinus)の準備 (2-1) スペクトロメータ磁石(SKS)の出口に設置する大型drift chamberが完成したので、その性能を詳しく調べ、検出効率、分解能とも十分よいことが確かめられた。また、検出器をK1.8ビームラインエリアに設置するための準備も行った。 (2-2) 粒子識別用検出器であるπ^0カウンター、エアロゲルチェレンコフカウンターの詳細設計を行い、これらを一部製作してテストを行った。
|