研究課題/領域番号 |
17070002
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡 真 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60144606)
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研究分担者 |
大西 明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70250412)
国広 悌二 京都大学, 基礎物理学研究科, 教授 (20153314)
初田 哲男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20192700)
肥山 詠美子 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (10311359)
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
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キーワード | ストレンジネス / クオーク / ハドロン / ハイパー核 / K中間子 / ハイペロン / 量子色力学 / カイラル対称性 |
研究概要 |
本研究は、特定領域研究「ストレンジネスで探るクォーク多体系」の物理における理論研究者を集約することにより、この特定領域研究をリードすることを目的としている。本年度は、3つの研究の柱をたて、それらの実現を目指してきた。 (1)ハドロン分光:2003年のペンタクオークの発見以来新しい観点からの研究が活発に行われている。東工大、東大、阪大、京大、奈良女子大、高エネルギー加速器研究機構のグループの研究で、エキゾティックバリオンとメソンの質量と構造の量子色力学(QCD)に基く解析が精力的に行われた。特に、観測で決まっていない量子数の予言や、幅の狭い理由の解明などが注目される結果である。 (2)ハドロン物質:有限密度のハドロン物質の性質をその内部でのハドロンの性質の変化を中心に研究している。K中間子原子核の構造、分光の研究は理論と実験の緊密な連携により、新しい発展を見せている。さらに、奈良女子大、阪大グループではη、η'、Θ核の生成などの新しい提案をした。J-PARCの実験でこれらの状態の発見され、カイラル対称性の回復を解明する重要な手がかりとなる事が期待される。また、高密度でのQCDのカラー超伝導相のダイナミクスやその周辺でのソフトモードの解明などが東大、東工大、京大、北大、高エネルギー加速器研究機構などのグループで進められた。 (3)ハイパー核分光:Λ、ΣおよびダブルΛハイパー核の構造の研究は、ハイペロンと核子の相互作用を原子核の構造を用いて解明する重要な研究である。奈良女子大、京大、大阪電通大グループでは、核力の模型を用いてハイパー核の精密準位計算を行い、実験と比較してきた。J-PARCでの実験結果と比較すべき理論的予言がどんどん生まれている。東工大、大阪電通大のグループではダブルΛハイパー核探索に必要な弱崩壊の分岐比や、弱崩壊における強い相互作用の影響に関する研究も進んだ。
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