研究課題/領域番号 |
17070002
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡 真 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60144606)
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研究分担者 |
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
国広 悌二 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20153314)
初田 哲男 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (20192700)
比連崎 悟 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60283925)
森松 治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60210184)
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キーワード | ストレンジネス / クォーク / ハドロン / ハイパー核 / K中間子 / ハイペロン / 量子色力学 / カイラル対称性 |
研究概要 |
本年度の最大の成果として、各分担者を組織委員とし、本研究課題を主要テーマとする滞在型の湯川記念国際シンポジウム(YKIS)"New Frontiers in QCD -Exotic Hadrons and Hadronic Matter-"(11月20日〜12月8日)が京都大学基礎物理学研究所において行われた。3週間に亙って数十名の外国人を含む150人近くが参加して、分担者もこの会議の構成に加わると共に研究成果をそれぞれ発表し、熱い議論を行った。また、3月には、これまでの研究成果をまとめ今後の課題を集約する研究会を主催し、若手研究者を含む50名以上が参加した。また、本年度は、ポスドク4名を東工大、阪大、東大、KEK、京大に配置し、この研究分野の若手養成に資した。 主な研究成果は以下の通りである。 (1)ハドロン分光:東工大、東大、阪大、京大、奈良女子大、高エネルギー加速器研究機構のグループの研究で、エキゾティックハドロンの質量と構造の量子色力学に基く解析を継続して行った。ペンタクォークの実験的な発見が一段落した現時点では、生成機構と断面積の理解が重要であることを指摘した。通常のメソン、バリオンにおけるエキゾティック状態の果たす役割の研究も進んだ。 (2)ハドロン物質:K中間子原子核の束縛エネルギーや構造、崩壊幅などの諸量に関して、従来の解析への批判も含めて広く議論を行った。また、東大、東工大、京大、北大、高エネルギー加速器研究機構などのグループでは高密度でのカラー超伝導など新しい相の理解を進めた。奈良女子大、阪大グループではη、η'核相互作用の研究も進めた。 (3)ハイパー核分光:ストレンジネス-2の一般的核力やダブルΛあるいはΞハイパー核の構造、生成反応の研究を奈良女子大、京大、大阪電通大グループで進めた。J-PARCでのDay-1実験での結果とすぐ比較できる理論的予言がどんどん生まれている。
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