研究課題/領域番号 |
17070002
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡 真 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60144606)
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研究分担者 |
大西 明 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70250412)
森松 治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60210184)
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キーワード | ストレンジネス / クォーク / ハドロン / ハイパー核 / K中間子 / ハイペロン / 量子色力学 / カイラル対称性 |
研究概要 |
最終年度にあたり、学部4年生、修士課程大学院生を主な対象とする「エキゾティック原子核実践講座・サマースクール」を開催し、20名以上の学生の参加を得た。このサマースクールは好評だったため、その中の講演は、Webページに掲載、また、その講義ノートをまとめて、原子核研究誌特集号2巻として出版し、各大学での教育のために配布下。また、若手の養成の一環として、ポスドク3名を、東京工業大学、京都大学基礎物理学研究所、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所に配置し、研究の活性化、後継者の養成に努めた。理論主導の研究会を計画、実施し、実験グループも交えて有効な議論を行った。これらの成果をWEBページとして公開するなどし、研究成果の伝達につとめた。 主な研究成果は以下の通りである。 (1)ハドロン分光:東工大、阪大、高エネルギー加速器研究機構のグループの研究で、格子QCD、QCD和則、カイラル有効理論を用いて、励起ハドロン状態やヘビークォークを含むエキゾティックハドロンのスペクトルおよびその性質を解析し、クォーク多体系のダイナミクスの理解を進めた。 (2)ハドロン物質:K束縛原子核を中心にハドロン分子的な状態の生成、構造に関する研究が進んだ。対応するJPARCでの実験計画の検討を進めた。また、京大、北大グループは高密度ハドロン物質の相図、性質の解明に取り組んだ。 (3)ハイパー核分光:東大、理研などのグループによる一般化された核力の格子QCDによる第一原理計算が進み、SU(3)極限でのクォーク模型との関連などで目覚ましい進展を見せた。ストレンジネス-2の一般的核力やダブルΛあるいはΞハイパー核の構造、生成反応の研究が理研、京大、大阪電通大グループで進み、JPARCでのDay-1実験後の研究計画に関する理論的な検討が行われた。
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