研究課題/領域番号 |
17070003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阪口 篤志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70205730)
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研究分担者 |
味村 周平 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10273575)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
福田 共和 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50116092)
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キーワード | ストレンジネス / ハイパー原子核 / バリオンバリオン相互作用 / 高アイソスピン状態 / バリオン多体系 / アイソスピン対称性 |
研究概要 |
本研究では、昨年度稼働を開始したJ-PARC原子核素粒子実験施設において研究を推進した。この新実験施設ではK1.8ビームラインが今年度稼動し始め、ハドロン二次ビームを用いた先進的研究が可能となった。特に本研究では、このハドロン二次ビームを活用し、これまで未生成のラムダ・ハイパー原子核を多数生成し、その性質を研究することを主眼とした実験を提案・実施した。これに関連する本年度の研究内容と成果を以下に述べる。 1. 本研究に必須となるK1.8ビームラインに設置するMWPC方式の飛跡検出器について、A01・永江班との協力で改良型検出器の実機を整備した。また、これまで整備を行ってきた飛跡検出器の信号処理回路等との組み合わせで、K1.8ビームラインでの初運転を行い期待していた性能が得られた。同時に、方式が異なるGEM技術を用いる飛跡検出器の開発が進んだ。 2. ソウル国立大学の研究グループとの協力により、ハイパー原子核の崩壊により生じる陽子とパイ中間子を検出する飛程測定器を製作し試験を行った。ハイパー原子核の崩壊からの陽子とパイ中間子を同定するために必要とされる性能が得られた。 3. 本研究で用いる中間子ビームを用いる手法とは異なる方法で未生成のラムダ・ハイパー原子核の生成を目指すドイツGSI研究所の研究グループとの協力を進め、GSI研究所のSIS加速器実験施設にて、この手法確立のための実験を実施した。この手法の鍵となる事象弁別の手法が確立できた。
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