研究課題/領域番号 |
17070004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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研究分担者 |
與曽井 優 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (80183995)
堀田 智明 核物理研究センター, 核物理研究センター, 助教 (30332745)
村松 憲仁 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教 (40397766)
清水 肇 東北大学, 理学研究科, 教授 (20178982)
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キーワード | シータ粒子 / ペンタクォーク / レーザー電子光ビーム / ファイ中間子 |
研究概要 |
シータ(Θ^+)粒子は、SPring-8のレーザー電子光ビームを原子核に照射した実験で世界初めて実験的に存在の可能性が示された5クォーク(ペンタクォーク)粒子である。 本研究の目的は、大強度レーザー電子光ビームを用いた高統計のΘ^+粒子探索実験を行い、Θ^+が実在するのであれば、その存在を実験的に確立することである。本年度は、まず毎秒2メガ個1秒まで高輝度化されたレーザー電子光ビームを用い液体重水素を標的とする高統計実験を行った。その結果、2002-2003年に取得されたデータの約3倍量のデータが取得された。ハイペロン生成反応やファイ中間子生成反応を用いたキャリブレーションの結果、運動量分解能は前回の測定値より良く、新しいエネルギー標識化方法を用いた光ビームのエネルギー分解能も当初の要求値を満たしていることがわかった。 液体重水素を用いた実験に引き続き、3GeV光ビームと液体水素標的を用いた実験を開始した。液体水素標的まわりには新たに開発したタイム・プロジェクション・チェンバーを配置しベクターK中間子の生成を確認できるようにした。タイム・プロジェクション・チェンバーはシータ粒子の中性K中間子と陽子への崩壊を確認する上でも有効である。実験と並行して解析プログラムを開発し、2002-2003年データの再解析を行なった。シータ粒子の質量測定に対するフェルミ運動の効果を削減する新しい方法を編み出し、質量分解能を11MeVまで改善した。本研究で主なバックグランドとなるファイ中間子生成の解析を行い、結果を論文にまとめ発表した。
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